KDDIとソフトバンクが相次いで2022年3月期の第3四半期決算会見を開いた。両社とも、一昨年から続いた政府からの値下げ圧力を強く受け、モバイルにおける通信料収入が大幅に下がっている。
KDDIの髙橋誠社長は「料金の値下げが影響が出ている。業績予想では1年間の通信料金の減収幅を600億~700億円になると見込んでいたが、見込みよりも減収幅が膨らみそうな状況にある」と危機感を募らせる。
また、ソフトバンク宮川潤一社長も今期、コンシューマ事業で減収した560億円のうち、値下げの影響はおよそ490億円だったと語り、通期で600〜700億円と減収する予想を立てていたが、700億円を超える可能性があるという。
ただ、両社とも悲壮感はなく、むしろサブブランドが好調な点をアピールした。
サブブランドが好調
KDDIの髙橋社長は、「UQモバイルとpovoが順調に契約者数を伸ばしており、両ブランド合計で500数万契約まで持ち上がっている。特にUQモバイルは400万を突破していてpovoも100万契約を超えている」と胸を張る。
一方のソフトバンク宮川社長も「ワイモバイルは他社に見劣りしない点が評価され、MNPで他キャリアから乗り換えるユーザーがとても多い」と語る。
ソフトバンクではワイモバイルによって、39万件の純増数を達成。「ソフトバンクらしさがようやく戻ってきた」(宮川社長)と満足そうだ。
ソフトバンクからワイモバイルへ移行するユーザーは「同じいけす」ということで、グループ内の移行であれば、他社に逃げられなかったとして目をつぶることにしているようだ。
KDDIとソフトバンクにとって、この「いかに他社に逃げられないか」が重要になってくる。安さに惹かれてサブブランドに流れてしまっても、いずれメインブランドを契約してくれる可能性があるからだ。
そういう点においては、KDDIでもその流れが出てきているようだ。

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