研究の成果はアップルデバイスやOSのヘルスケア機能の進化を促す
最新のApple Watch Series 7、およびwatchOS 8には、ユーザーの「心臓の健康」を見守ることを目的とした多彩な機能が搭載されています。例えば心拍の「速度」を継続的に計り、異状が見られた場合に知らせてくれる「高心拍数と低心拍数の通知機能」や、心拍の「リズム」を調べて不整脈の兆候を未然に防ぐ「不規則な心拍の通知機能」などが、Apple Watchに搭載されて以来、世界中のユーザーに活用されています。
日本国内でも、2021年1月に心電図アプリが使えるようになりました。Apple Watch Series 4/5/6/7と、iOS 14.4以降/watchOS 7.3以降の組み合わせにより、ユーザーはいつでも簡単に心電図を記録して、データをPDFファイルとして残すことができます。
アップルなど3者による、心臓の健康と運動による健康管理・増進に関わる研究の成果は今後、Apple WatchやiPhoneに代表されるアップルデバイスを活用したヘルスケアの新しい機能・サービスにどのような形で活きてくるのでしょうか。
例えばウォーキングやランニングといった、一般の人々が日常生活を送る中で気軽に実践できるワークアウトにより、最も効率よく心肺機能の向上を達成するための「コーチング」の機能・サービスが強化できそうです。
アップルが提供するHealthKitのフレームワークにも新たな研究の成果が反映されれば、外部のデベロッパからも魅力的なヘルスケアやワークアウトのアプリが続々と生まれるかもしれません。
P4 。日本ではまだサービスインが実現していませんが、アップルによるフィットネスのサブスクリプションサービスである「Apple Fitness+」にも、ユーザーが目的に合わせて心肺機能レベルをマイペースで高められるプログラムが開発・追加されれば、多くのユーザーに歓迎されると思います。
ところで、今年もまた2月のApple Watchアクティビティチャレンジとして「心臓月間チャレンジ」が実施されることも、期待されます。2021年は2月14日に、1日の中でApple Watchを身に着けて60分のエクササイズをすると限定版の「バッジ」を獲得できました。今年も実施された暁には、Apple Watchのユーザーは逃さずバッジをゲットしましょう。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。