このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

アイロボット「ルンバ j7」シリーズ発表:

うんこよけルンバ、かっこよく登場 正直メッチャおすすめです

2022年02月02日 10時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 このごろRoborockなどの新興勢力に押されがちだったルンバが渾身のカウンターパンチを浴びせました。かっこよく、ペットのうんこもよけられて、お値段本体10万円弱の新型です。正直これまでのルンバは割高感があったんですが、新型はかなり競争力ある価格とパフォーマンス。実際に試用機を使ってみたところ、まんまと欲しくなりました。これ、正直おすすめです。

本体10万円弱のハイグレード「ルンバ j7」

 アイロボットジャパンが2月2日に発表したのは、ロボット掃除機「ルンバ j7」。ゴミを自動的に収集する充電ドック「クリーンベース」付きの「ルンバ j7+」も同時発表。2019年発売の上位機種「ルンバ i7」の後継機で、デザインが新しくなり、ケーブルなどの障害物をよけられるようになりました。クリーンベースは背が低くなり、圧迫感がなくなっています。ルンバ j7シリーズに合わせ、拭き掃除ロボット「ブラーバジェット m6」のカラバリも新登場です。

ルンバ j7+ 発売日2月10日 直販価格12万9800円
ルンバ j7 発売日2月10日 
直販価格9万9800円
ブラーバジェット m6(新色) 発売日3月4日 直販価格7万6868円

かっこいいグラファイトカラー

 本体デザインで劇的に変わったのは天面です。

 2020年発売の普及機「ルンバ i3」シリーズはインテリアになじむファブリック調でしたが、j7シリーズはより洗練されたグラファイトカラーになりました。i7シリーズと天面を比べると、ボタンが1つだけになり、ビンディのようについていたセンサーがなくなり、新しい500円玉のように中心に向けてきれいな同心円を描くデザインになったことがわかります。かっこいいですね。

 本体裏側はほぼ同じですが、脚のようなブラシ、エッジクリーニングブラシが黒くなり、認証ラベル(Sマークなど)が省略されました。見えないところこそ美しくということでしょうか。

 j7+のクリーンベースはi7+より背を低くして、本体と同じ幅におさめました。紙パックの容量は従来同様。ごみ捨ては約半年に1回でOKです。

 前面に細かいストライプを入れ、スリムに見せつつ、指紋もつきにくいという機能的なデザインにしています。紙パックを交換するとき開けるフタにはフェイクレザー素材のタブがついてアクセントに。フタを開いて左側には交換用の紙パックを1枚入れておける便利仕様になっています。

10万点のうんこ画像を学習

 新機能は、カメラセンサーで目の前のものを検知して避けられる「Precision Visionナビゲーション機能」。ケーブル(ヘッドホンのコード、電源ケーブル)、ペットの排泄物(固形)、靴、靴下、充電ステーションを回避します。これ以外の障害物も回避しますが、この5種類は必ず回避する対象になっています。

 従来のルンバ i7シリーズも上部にカメラセンサーがあり、自己位置推定や家具などの認識ができましたが、床面は把握できませんでした。j7はカメラを前面に搭載し、レンズを広角にしたことで、障害物を認識しやすくしています。カメラの下に搭載したLEDライトが懐中電灯のように目の前を照らすため、家具の下や、真っ暗な部屋でも障害物をしっかり検知可能です。

 ちらかっていてもルンバが使えるというのもありがたいですが、画期的なのはうんこ検知。ルンバが家中にペットのうんこを塗りたくる悲劇はもう起きません。同社が実施したデモではうんこの模型を検知すると速攻で避け、大回りして走行していました。

同社のデモより(※模型です)

模型を検知して「回れ右」するルンバ

 アイロボットでは100個以上のうんこの模型を作り、10万点以上のうんこの画像をルンバに学習させてアルゴリズムを作ったそうです。うんこの検知精度には自信があるようで、購入後、ペットの粗相によるアクシデントが起きた場合は無償でロボットを交換する「P.O.O.P(ペットオーナーあんしん保証)」というサービスも提供するということでした。

 ただし、ルンバが運転を終了した後、拭き掃除ロボットのブラーバが運転を開始するという連携をしているとき、うんこ(障害物)の位置は共有されません。ルンバがよけたうんこをブラーバが広げるという悲劇は起こりうるのでアップデートで対応してほしいところです。

「たくさん売っているから性能もいい」

 障害物の検知精度をさらに高めるのがユーザーからのフィードバックです。

 掃除を終えた後、「iRobot HOME」アプリには、検知した障害物の写真が表示されます。ユーザーは写真1枚ずつ「一時的な障害物がここにあります」「侵入禁止エリアを追加」を指定していくことで障害物検知精度を上げますが、そのとき任意で学習用データを送信可能。このフィードバックが重なることで、世界的にルンバ j7シリーズの検知精度が上がる仕組みになっています。

 要するに、売れるほどに検知精度が上がる数の論理です。ちなみにWi-Fiにつながるルンバの累計販売台数は1500万台。同社では「たくさん売っているから性能もいい」という表現をしていました。

 なお、障害物回避用のカメラセンサーは、壁や家具の前でスピードを落とすためにも使われます。これまでは赤外線センサーを使っていましたが、家具の脚など細い物体は認識しづらく、ガツンとぶつかってしまっていました。やさしくコツンとぶつかることを、同社では「サイドタッチ」と呼んでいます。キッチンのイスをずらさずにすみます。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ