「ビジネスVPN」「コンテンツフィルタリング」「キャプティブポータル」が提供中
サブスク利用できるNETGEAR Insightの付加サービスを活用しよう
2022年01月24日 11時00分更新
ビジネス向けネットワーク機器をクラウド経由で管理できるネットギアの「NETGEAR Insight」。スマートフォンアプリやPCブラウザからネットワークを一元管理できるだけでなく、クラウドを介して多様な付加サービス(サブスクリプションサービス)の提供も始まっている。本稿では、現時点でどんな付加サービスがあるのかを詳しく見てみたい。
Insight付加サービスの種類と購入方法
Insightの付加サービスを利用するには、当然のことだがInsight Premium/Proのサブスクリプションプランが必要だ。Insight Premiumはオンラインからの契約(購入)、Insight Proは販売代理店経由での契約となる。また、現在販売されているInsight対応の無線LANアクセスポイントやスマートスイッチには、1年間のサブスクリプションが無償で付属している(Orbi Pro WiFi 6のみ、5年間のPremiumまたは1年間のProライセンスが付属)。
現在提供されているInsightの付加サービスは次の3つだ。後述するが、サービスごとに対応するネットワーク機器の機種は異なるので注意してほしい。
●InsightビジネスVPN:簡単に設定できるクライアントVPN
●Insightコンテンツフィルタリング:セキュリティリスクの高いWebアクセスを自動ブロック
●Insightインスタント キャプティブポータル:フリーWi-Fi接続時のポータル画面をカスタマイズ
Insight Premiumプランを利用している場合は、これらの付加サービスをInsightクラウドポータルからオンラインで購入することができる。画面右上にあるショッピングバッグ型のアイコンをクリックすると、上記3サービスが並んだページが表示される。「製品の表示」をクリックすると、各サービスの紹介とサブスクリプション購入ページに進む。
なお、ビジネスVPNについては30日間の無償トライアルが用意されているほか、すべてのサービスはオンライン購入後30日間以内であれば購入をキャンセルすることができる。各サービスがどのようなものなのかを実環境で試すことができるので、この仕組みはぜひ活用してほしい。
InsightビジネスVPN:使い勝手の良いクライアントVPN環境を簡単構築
それでは、3つの付加サービスを紹介していこう。まずは連載記事でもご紹介したInsightビジネスVPNからだ。
InsightビジネスVPNは、本社オフィスへのセキュアなクライアントVPN接続環境を提供するサービスだ。本社(センタールーター)と従業員宅や中小拠点(リモートルーター)間のVPNがInsightポータルから簡単に設定/構築できるうえ、クライアントデバイスにはVPNソフトをインストールする必要がなく、本社オフィスと同じ社内用SSIDに接続するだけでVPNアクセスができる。
本稿執筆時点の対応機種は「Orbi Pro(SRR60)」と「Orbi Pro WiFi 6(SXR80)」で、「Orbi Pro WiFi 6 Mini(SXK30)」も今後対応予定である。センタールーターとリモートルーターの双方がこれらの機種である必要がある。なお、1台のセンタールーターに対して多数のリモートルーター(多数の拠点)からVPN接続することもできる。
ライセンスの購入後、Insightポータル上で「VPNグループ」にVPN接続させるセンタールーター、リモートルーターを登録する。そのうえで、VPN接続用のSSID/パスワードを設定すると、このSSIDに接続したデバイスのトラフィックがVPN経由でセンタールーターにルーティングされるようになる(詳細は連載記事も参照いただきたい)。
ライセンスは、リモートルーター側でVPNに同時接続するクライアントデバイス数に応じて、在宅勤務向け(最大5台)、極小オフィス向け(最大45台、75台)、中小オフィス向け(最大125台、250台)の5種類が用意されている。在宅勤務向けライセンスの場合、1リモートルーターあたり年額1万6856円だ。なお30日間無料試用は在宅勤務向けライセンスが提供される。
InsightビジネスVPNは、設定から利用まで非常にシンプルに使える。特に、リモートワーク/在宅勤務の従業員宅にオフィスへのVPNアクセス手段を提供するうえでは、従業員に特別なVPN接続操作などを覚えてもらう必要もなく、使い勝手が良いはずだ。
Insightコンテンツフィルタリング:安全なWebアクセスを守る
2つめのサービスはInsightコンテンツフィルタリングだ。
これはDNSベースでWebフィルタリングを行うサービスで、マルウェアやフィッシング攻撃に利用されているセキュリティリスクの高いサイトへのアクセス、あるいは業務に関係のない/ふさわしくないカテゴリのWebアクセス(オンラインショッピング、ギャンブル、ゲーム、転職情報など)や不適切な検索結果を、自動的にブロックするよう設定できる。これにより、ネットワークに有線/無線接続した従業員やゲストを保護する仕組みだ。
同サービスではWebサイトが50以上のカテゴリにあらかじめ分類されており、管理者はブロック対象にしたいカテゴリを指定するだけで、簡単にブロック設定ができる。さらに自社独自のブラックリスト/ホワイトリストで、ブロックするサイトを追加したり、指定カテゴリに含まれるサイトのブロックを除外(アクセスを許可)したりすることも可能だ。
また管理者は、過去30日間のDNSリクエスト数とブロック数、ブロックした上位カテゴリ、業務時間外のアクセスといったレポートも参照できる。仮にマルウェア関連サイトへのアクセス数が多ければ、社内のマルウェア感染を早期発見することにもつながるだろう。
現時点での対応機種は、Orbi Pro(SRR60)とOrbi Pro WiFi 6(SXR80)、Orbi Pro WiFi 6 Mini(SXR30)である。ライセンス料は1台あたり年額5189円で、DNSリクエスト数が日間20万件を超える環境では、拡張ライセンス(年額3113円)の追加が必要となる(通常、1台のPCが1日に送信するDNSリクエスト数はおよそ5000件)。
1カ月あたりに換算すれば430円程度の安価なサービスであり、企業オフィスだけでなく小規模な店舗、宿泊施設、公共施設などでも導入しやすいだろう。ゲストWi-Fi/フリーWi-Fiを安全/適切に使ってもらうために、導入を検討してみてはいかがだろうか。
Insightインスタントキャプティブポータル:ゲストWi-Fiをビジネス活用
3つめのInsightインスタントキャプティブポータルは、ゲストWi-Fi/フリーWi-Fiに接続した際に表示されるポータル画面(キャプティブポータル)をカスタマイズし、顧客タッチポイントとして活用できるサービスだ。Insight対応製品では無料のキャプティブポータル機能も利用できるが、インスタントキャプティブポータルを使えば豊富な機能が使えるようになる。
たとえば、インターネット接続を開始する前に店舗の広告画像/ビデオを表示したり、SNSアカウントでの認証やメールアドレス登録を要求して以後のマーケティングに活用したり、利用時間を制限したりすることが可能だ。ゲストWi-Fiがどの程度、どのように利用されているのか、Insightポータルのダッシュボードでレポートを表示することもできる(ログは1年間保存)。詳しくは過去記事で紹介しているのでご参照いただきたい。
このサービスは、Insightに対応している無線LANアクセスポイント(WAC5XXシリーズ、WAX6XXシリーズ)やOrbi Proシリーズで利用できる。ライセンス料はアクセスポイント1台の場合で年額7355円、ほかにも3台パック、10台パック、40台パックを提供している。したがって、中規模以上の店舗やホテル、公共施設においても導入が可能だ。
ゲストWi-Fiを無償提供するならば、おすすめの商品やメニュー、サービスなどをアピールしたり、次回以降の利用を促すためのタッチポイントにしたりすることで、ネットワーク維持コストの足しにできるし、さらに良いサービス提供にもつなげられるだろう。ぜひとも豊富なアイデアで活用してほしい。
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本稿執筆時点でのInsight付加サービスは上記の3つだが、今後もさらにサービスの種類が増えることが期待できる。ネットワーク製品の導入後でも柔軟に、なおかつ低コストでサービス/機能強化が可能になったのは、Insightによるクラウド管理化の大きなメリットと言えるだろう。引き続き、今後の付加サービス拡充にも注目したい。
(提供:ネットギア)