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ASUSのZ690マザーボード3製品をレビュー! 強化された性能とデザインにも注目

2021年12月09日 11時00分更新

文● 松野将太 編集●ASCII

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 11月に販売が開始された、IntelのデスクトップPC向け第12世代Coreプロセッサー(コードネーム:Alder Lake-S)。CPU自体の性能の高さが注目を集めているのは周知の通りだが、そんな第12世代Coreで自作PCを組むなら必須になるのが、最新CPU向けのチップセット「Intel 600」シリーズを搭載するマザーボードだ。新たにDDR5メモリーの搭載やPCI Express 5.0接続をサポートしているほか、モデルによってDDR5メモリーとDDR4メモリーのいずれかにのみ対応するなど、これまでにない特長を備えている点でも話題となっている。

 この記事ではAlder Lake-Sに対応したZ690チップセットを搭載したASUSのマザーボードのラインアップのうち、ハイエンドモデル「ROG MAXIMUS Z690 HERO」およびミドルクラス向けの「ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI」、DDR4メモリー搭載に対応する「TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4」の3モデルをピックアップ。サンプルをもとに、製品の特長をチェックしていこう。

豪華機能を盛り込んだATXマザー「ROG MAXIMUS Z690 HERO」

「ROG MAXIMUS Z690 HERO」。実売価格8万900円前後

 「ROG MAXIMUS Z690 HERO」は、コアゲーマーやオーバークロッカー向けの「ROG MAXIMUS」ブランドからリリースされたハイエンドマザーボード。Aura Sync RGBライティングに対応する大型のI/Oカバーが目を引くデザインだが、VRM電源回路は合計20+1フェーズのパワーステージを採用するなど、高い電力を要求する第12世代Coreプロセッサーを安定して動作させられるだけのスペックを備えているのが特長だ。

CPUソケットはあらたにIntel LGA1700に対応。ハイエンド製品らしく、電源回路は合計20+1フェーズと豪華な仕様に

Aura Sync RGBライティングに対応する大型のI/Oカバー

チップセットカバー部分のROGロゴにも発光機能が搭載されている

通電時にはI/Oカバーとチップセットカバーがどちらも発光

CPU補助電源は8pin×2構成

 CPUソケットはあらたにIntel LGA1700に対応。当然ながら、現時点では第12世代Coreプロセッサーのみに対応し、第11世代以前のCPUはサポートしていない。CPU補助電源コネクタは、近年のハイエンドマザーではすっかり当たり前になりつつある8pin×2構成だ。

メモリースロットは片ラッチ仕様で、最大128GB(DDR5-6400)のDDR5メモリーをサポート。DDR5メモリ―自体は入手しにくい状況が続いているものの、性能は一般的なDDR4メモリーを大きく上回る

 メモリースロットは4本で、対応メモリーはDDR5のみ。先に述べた通り、第12世代Coreプロセッサーは従来のDDR4メモリーに加え、より高速なDDR5メモリーをサポートしている一方、DDR5メモリーとDDR4メモリーはスロット自体に互換性がないため、マザーボードは製品によってどちらか一方のメモリーにしか対応できない点には注意が必要だ。最大容量は128GBで、DDR5-6400(OC)までの超高クロック動作のサポートを実現している。とはいえ、現時点ではDDR5メモリー自体が普及段階にあり、メモリーモジュールのランクや枚数により動作クロックを上げるのが厳しいことも多いようだ。高クロックを狙うのであれば、2枚組の高性能メモリーを用意するのがベターだろう。

マザーボード本体のM.2スロットは3つだが、HYPER M.2 CARDを使用することで最大5枚のM.2 SSDを使用可能

付属するHYPER M.2 CARD

2枚のSSDを装着し、拡張スロットに挿すことでSSDが使用可能になる

SATA 3.0(6Gbps)ポートは計6つ

 ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート×6のほか、HYPER M.2 CARDの使用時には最大5本のM.2 SSDを搭載可能だ。スロットの内訳は、M.2_1がPCIe 4.0 x4、M.2_2がPCIe 3.0 x4、M.2_3がPCIe 4.0 x4またはSATA接続対応となる。加えて、HYPER M.2 CARDの2スロットは、どちらもPCIe 5.0 x4対応だ。スロットにより細かい排他があるため扱いに注意は必要だが、最大5本のM.2 SSDを利用できるのは大きな魅力だろう。

拡張スロットは3つで、上2段がPCIe 5.0x16対応。金属補強されているので分かりやすい

下段スロットはPCIe 4.0 x16で、x4またはx4/x4モードで動作する

 拡張スロットはPCIe 5.0x16スロット×2(x16またはx8/x8動作)、PCIe 4.0 x16スロット×1(x4またはx4/x4動作)を用意。3つのスロットのうち、上段2つが金属補強されたセーフスロットとなっている。一部スロットがCPU直結のPCIe 5.0に対応した点は大きなトピックと言えるが、現時点ではPCIe 5.0対応のGPUはリリースされていない。HYPER M.2 CARDそのものはPCIe 5.0に対応しているものの、M.2ストレージもPCIe 5.0対応製品が流通していないため、将来的には運用できるかも、ぐらいの認識でよさそうだ。

背面インターフェース。2.5ギガビット有線LANやUSB 3.2 Gen2ポートのほか、Thunderbolt 4端子(Type-C)を2つ用意。I/Oパネルはプリマウントだ

 背面インターフェース類は、2.5ギガビット有線LANやUSB 3.2 Gen2ポートのほか、HDMI 2.1映像出力端子×1、Thunderbolt 4端子(Type-C)を2つ用意するなど、最新の規格をしっかりとカバー。計11個のUSBポートを用意するなど、上位製品らしい構成と言えるだろう。加えてWi-Fi 6E対応の無線LAN通信も利用可能で、オーディオはESS製DAC「ES9018Q2C」を搭載した「ROG SupremeFX ALC4082」を搭載するなど、機能面も申し分ない。実売価格8万円越えとやや値は張るが、所有欲を満たしてくれるような製品に仕上がっているのは間違いない。

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