「消えるボールペン」として、ペン1本で書いたり消したりできてとても便利なフリクションボールペン。様々なカラーや、色鉛筆タイプも登場し、ますます楽しみ方が多様になってきています。今回は、そんなフリクションボールペンの性質を学びながら、身近なものを使って楽しめる実験アイデアをご紹介します。
フリクションボールペンが消える仕組みを利用すれば、ドライヤーやお湯を使って文字や絵を消したり、冷凍庫やドライアイスを使って復活させたりすることができるのです。どんなときに消えて、どんなときに復活するのか体感しながら学べますので、自由研究などにもオススメです。
それでは今日もレッツサイエンス!
■自己紹介
サイエンスエンターテイナーの五十嵐美樹(twitter:@igamiki0319)です。国内外問わず科学実験教室や特技のダンスを活かしたサイエンスショーを開催し、子ども達が科学の一端に触れるきっかけを創っています。
本連載では、商業施設などのオープンな場での科学実験教室やサイエンスショーで、子どもたちからの人気が高かった実験や工作や科学にまつわる情報をご紹介しています。
フリクションボールペンが消える仕組みとは?
フリクションボールペンの中に入っている「フリクションインキ」は、65℃で消えるように設定されていて、ラバーでこすることで生じる摩擦熱によってインキの色が無色に変わり、筆跡などを消すことができるようになっています※1。たとえば、手と手をこすり合わせたときはあたかく感じますよね。このように、こすることで温度が高くなることを利用して、インキが消えているのです。また、マイナス20℃まで冷やせばインキの色が復活します※2。
では、この仕組みを利用して、身近なものを使ってできる実験アイデアをご紹介します。
フリクションインキと身近なものを使った実験1
〜ドライヤーの温風を当てると?〜
フリクションインキが65℃で消えるように設定されているということは、ドライヤーの温風などを当てて温度を上げればインキが消えるのではないかということで、早速実験してみましょう。
【準備するもの】
・ドライヤー
・画用紙
・消えるタイプではないマジックやボールペン
・フリクションの色鉛筆
※今回は、株式会社パイロットコーポレーション「フリクションいろえんぴつ」を使用しました。
【実験手順】
まずは、消えるタイプではないマジックやボールペンで輪郭を書きます。その後、フリクションいろえんぴつでカラフルに色を塗ります。フリクションいろえんぴつは、先ほどと同じように摩擦熱による温度変化によって筆跡を無色にするフリクションインキの色素を、ワックスで固めた芯が搭載されています※3。
それでは、絵に向かってドライヤーの温風を当ててみます。
ドライヤーの温風が当たったところから、徐々に色が消えていくのがわかります。消えるタイプでないマジックやボールペンで書いた輪郭は消えずに、フリクションいろえんぴつで塗ったところだけが消えていっています。こすって生じる摩擦熱だけでなく、ドライヤーの温風で温めてもフリクションインキが消えました。
この連載の記事
-
最終回
アスキーキッズ
ペットボトルで雲を作る、火を起こす! 子どもとやりたい空気の圧縮・膨張にまつわる科学実験 -
第61回
アスキーキッズ
ペットボトルから水がピューッ! 子どもとやりたい水圧の科学実験 -
第60回
アスキーキッズ
紙皿とモーターで風力発電装置を作ろう 子どもとやりたい再エネの科学実験 -
第59回
アスキーキッズ
ジュースからDNAを取り出してみよう 子どもとやりたい科学実験 -
第57回
アスキーキッズ
おうちで花火!? 子どもとやりたい炎色反応の科学実験 -
第56回
アスキーキッズ
「磁性スライム」を作る 子どもとやりたい磁力の科学実験 -
第55回
アスキーキッズ
100円ショップの材料で電磁石おもちゃを作る 子どもとやりたいコイルの実験 -
第54回
アスキーキッズ
電球直列・並列の明るさ徹底比較! 実際に実験してみた【中学受験対応】 -
第53回
アスキーキッズ
湿度計を自作してみよう 子どもとやりたいセロファンの科学実験 -
第52回
アスキーキッズ
巨大シャボン玉を大量に作る 子どもとやりたい界面活性剤の科学実験 - この連載の一覧へ