米軍の三角停止板を購入
このところモトコンポばっかりいじっていましたが、先日、久しぶりにハンヴィー用のアイテムを購入しました。
ハンヴィーの備品といえば、もちろん米軍払い下げの軍用品。しかも今回はカモフラージュネットやダミーのアンチIEDアンテナみたいな、それがいったい何の役に立つんだっていうモノではありません。れっきとした実用品です。
それがこちら。三角停止板!
そう、クルマが故障した時に使うアレです。払い下げ品なのにミリタリーっぽさゼロです。
アメリカ製なのがポイントです
米軍払い下げ品ではあるものの、特に軍用らしいところがあるわけでもない、いたって普通の三角停止板です。
高速道路で故障により停車する時は、クルマの後方に置かなくちゃいけないので、もちろんウチのハンヴィーにもホームセンターで買ってきたのを搭載済み。今さら買う必要性はありません。しかも故障時の表示義務はあるものの、搭載の義務はないですし。
でもいいんです。米軍払い下げ品を装備しているということが大事なのです。
専用のプラスチックケースに入れられていて、ケースのフタには「MADE IN U.S.A.」の文字が記されていました。当然すべての表記は英語です。機能的には日本製と変わりありませんが、この“日本語が一切書かれていない”というのが大きなポイント。雰囲気が全然違ってきます。なんせそのためだけに購入したんですから。
これでまた一歩、軍で使われている状態に近づいたはず!
メーカーを探ってみました
ちなみにこの三角停止板、箱入りの新品でした。箱には米軍の払い下げ品ではおなじみの物品管理番号であるNSNらしき数字が書かれています。
破れてしまって一部が読めなくなっていましたが、9905-00-148と46という数字が読み取れます。ここまでわかれば手がかりは十分。
NSNは4桁-2桁-3桁-4桁となっているので、148のうしろはハイフンです。つまり9905-00-148-xx46。これに該当するNSNは9905-00-148-9546しかなく、NSNのデータベースで確認すると品名はREFLECTOR SET, HIGHWAY WARNING, TRIANGULARとなっていました。箱に書かれている、これまた途中が読めない品名もREFLECTOR xxxxxxxxx WARNING, TRIANGULARなのでビンゴです。
製造している会社は6社あるようですが、PACKING LISTが入っていたビニールの下にJames King & Co., Incという社名が書かれていました。納入業者に割り当てられているCage Codeは3UFQ2。オレゴン州シェアウッドという街にあり、主に自動車の安全に関わる製品を作っているメーカーのようです。
ケースは劣化気味
まあ、新品ではあるんですけども、“新品=新しい物”とは限りません。軍の払い下げ品の場合は長期在庫の余剰品の放出が多く、このリフレクターセットも2006年製と結構古めです。
箱は密封されたままでしたが、出してみるとケースのロック部分が片方割れていました。
全体的にプラスチックのしなやかさがなくなっているので経年劣化なのでしょう……と言っている間にヒンジも折れました。まあ15年も前に作られた物だし、言ってみれば廃棄品ですしね。多少ボロいのは仕方ありません。それに三角表示板自体は劣化の気配もない新品同様です。中身がちゃんと使えればそれでいいのです。
3個入りでお買い得?
その中身なのですが、ケースの中には三角停止板が3個も入っています。お買い得品的です。
日本の三角停止板って普通は1個ですよね。では米軍のはなぜ3個もあるのでしょう。予備? それとも複数の車両で行動することが多いからみんなで使えるように? 軍用車は大きいから? とか思ったんですが、その答えはケースのフタに記されていました。
アメリカの法律で決まっているのか別の理由があるのかはわかりませんけど、このリフレクターセットの場合は3個並べて使用するようになっているらしいのです。
対面通行では前にも置きます
日本の場合はクルマの50m以上後方に1個置きますが、リフレクターセットは状況によって置き方が変わります。
設置パターンが2つあって、ひとつは「ON A STRAIGHT HIGHWAY」の場合、もうひとつは「ON A DIVIDED HIGHWAY」の場合。
ON A STRAIGHT HIGHWAYは真っ直ぐな高速道路? と思いましたが、イラストからすると対面通行の高速道路のことみたいです。
対面の場合は前方から突っ込まれる可能性があるためか、前にも1個置くよう指示されています。距離はAPPROX. 100 FEET 40 PACES。APPROX. 100 FEETは約100 feetで、メートル法でいうとおよそ30mです。
100 FEETのあとに書かれている40 PACESの意味がわからなかったんですけど、これ、歩いて何歩っていう単位なんですね。歩いて40歩。アメリカでは1ペースは30インチまたは2 1/2フィート、メートル法では76.2cmだそうです。つまり40ペースは100フィート。「およそ100フィート、40歩のところに設置しろ」ということですね。
こんな単位、今まで全然知りませんでした。でも実際に三角停止板を使うシチュエーションを考えたらとても合理的です。40歩あるいたところに置けばいいんですから。30mなんて測りようがないですもんね。
クルマの後方には、すぐ後ろに1個と、これまた100フィート離れたところに1個置くとのことです。日本は50m以上離すとなっているので、それと比べるとだいぶ近いですね。
一方通行の場合は後ろに3個
ON A DIVIEDED HIGHWAYは上下線が中央分離帯などで分けられている高速道路です。
この場合は前からクルマが来る可能性がないので、故障車の後ろのみに置きます。対面の時と同様に対象車のすぐ後ろに1個、100フィート後方に1個。そしてそこからさらに100フィート後ろにもう1個設置します。合計すると最後尾はおよそ60m後方ということになります。
組み立ては簡単!
組み立て方は日本の一般的な物と同じ。三角の2辺を引き出して先端をはめ込み、台座に対して90度回せば完成です。
簡単ですが、左右の辺が引っかかってスッと広げられないことがあったりしたので、いざという時のために一度はやってみておいた方がいいかもしれません。
本体にも組み立て方と置き方が書かれていましたが、ここにあるのは対面通行の場合だけでした。両方載せるスペースがなかったんでしょうけど、対面の方だけにしたということは、アメリカの高速道路は対面の方が多いんですかね。
日本製の物も搭載することに
ところでこれを買ったことで余った日本製三角停止板はどうしたかというと、実はまだハンヴィーに積んでいるのです。
というのも、比べてみたらちょっと小さかったんですよね。米軍のやつが。底辺の幅が45cm以上必要らしいんですけど、1.5cmほど足りません。まさかの落とし穴です。
国家公安委員会認定品となっている製品でも底辺の幅が43cmぐらいしかなかったりするんですが、それは角が丸くなっているからであって、左右の辺と底辺を延長した交点の間隔が45cmあればいいらしいです。
それならもしかしてこれも! と期待して測ってみたんですけど、5mm届きませんでした。あと5mmだけ大きく作ってくれていれば……。残念ではありますが、たった5mmとはいえ規定は規定なので仕方ありません。
というわけで、日本製の方は適合品なので、結局こちらも引き続き搭載することになりました。慌てて捨てたりしないでよかった〜。
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