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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第34回

オンラインコミュニケーションを強力にサポートするMesh for Microsoft TeamsとMicrosoft Loopを発表

2021年12月02日 10時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回は11月上旬開催のIgnite 2021で発表されたMicrosoft 365 Appsの関連アップデートに注目した。

アバターを使ったオンライン会議を実現する「Mesh for Microsoft Teams」

 「メタバース(仮想空間)」。FacebookがMetaに社名変更したことで、耳にしたことがある読者諸氏も多いだろう。MicrosoftはMicrosoft Teamsにメタバースを加える「Mesh for Microsoft Teams」のプレビュー版を、2022年前半に提供することを目指している。

Microsoftの翻訳機能により、異言語間のコミュニケーションも可能

 我々が日常的に行なうオンライン会議は、カメラ経由で相手の顔が見えても2Dの域を超えず、リアルな会議のような集中力を維持することは難しい。Mesh for Microsoft Teamsは自身のアバター(分身)が仮想空間に入り込み、社内のメンバーとひと味違うオンライン会議を体験できる。MicrosoftはMesh for Microsoft Teamsによる仮想空間を「没入型空間」と表現し、没入型体験を参加メンバー同士で共有できると公式ブログで解説している。

アバターでオンライン会議にも参加できる

 興味深いソリューションだが、いくつかの懸念がある。セキュリティ面は問題ないと思うが問題はVRヘッドセットだ。Microsoftは「MR(複合現実)ヘッドセットを通じ、Microsoft Teamsの一部として利用可能になる」と説明しているが、対応するヘッドセットに制限を設けるのだろうか。Oculus Quest 2に対応するのか、それともOEMパートナーにヘッドセット開発を依頼しているのか分からないが、前者は消費者向け製品かつMetaの子会社である以上、考えにくい。後者も過去にWindows MRヘッドセットを提供したが、コンテンツの拡充など同社の後押しも少なく、今ではその存在も知られていない。同社が安価なMicrosoft HoloLensを自社開発するのが順当ながらも、その答えは今回のイベントから見えてこなかった。まずは2022年前半のプレビュー版まで待つのが得策だ。

仮想空間に参加したアバター(メンバー)同士で会議やディスカッション、資料共有を行なえる

ブレストなどの共同作業をサポートする「Microsoft Loop」

 Microsoft Loopは共同作業のキャンパスアプリである。現状はMicrosoft WordやMicrosoft Excelなど、個別のアプリを基盤に共同作業を行なっているが、あくまでも後付けの機能だ。チャットや会議、メール、ドキュメント編集など各種作業を実行するための最小単位となる「Loopコンポーネント(旧Fluidコンポーネント)」は、事前に用意された投票やステータストラッカーの他、独自のLoopコンポーネントも開発できる。

Loopコンポーネントの機能として自由にパーツを追加できる

 特定のプロジェクトの需要に応じた方法でリンクやファイル、データなどの各要素を取り込むことができる「Loopページ」は、コミュニケーションを促進するキャンバスだ。アイデアの容量に合わせてページは拡大できる。

 プロジェクトに必要な情報をグループ化するための共有スペースの「Loopワークスペース」は、アイデアの共有や応答、オンラインのブレーンストーミングなど共同作業を柔軟に進行できる。

共同作業を推進するLoopワークスペース

 以上の3要素で構成されたMicrosoft Loopは、Mesh for Microsoft Teamsと同様に2022年前半のプレビュー提供を予定しているが、Loopコンポーネントは今後数ヵ月でMicrosoft TeamsやMicrosoft Outlook、Microsoft OneNoteなどMicrosoft 365 Appsにプレビューとして提供する予定だ。自宅勤務で企業のメンバーと共同作業する機会が多い方は注目してほしい。

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