シャープの新しいスマートフォン「AQUOS zero6」。大画面の有機ELディスプレーに加え、約146gという“軽さ”が復活するなど、AQUOS zeroシリーズらしい特徴を備えたスマートフォンとなっている。その使い勝手と実力を実機から確認してみたい。
特筆すべき軽さだがキー配置には不満も
まずは本体について確認すると、ディスプレイサイズは6.4インチでサイズは約73(w)×158(h)×7.9(d)mm。スタンダードなサイズ感ではあるが、やはり特筆すべきは重量であろう。
冒頭でも触れたが、AQUOS zero6の重量は150gを切る約146g。ハイエンドモデルを中心に200gを超えるスマートフォンが急増する中にあってかなりの軽さといえ、片手で持っていても疲れにくいのはうれしい。ここ最近のスマートフォンで軽さを打ち出しているものとしてはシャオミの「Mi 11 Lite 5G」が挙げられるが、こちらは厚さが6.81mm、重量が159g。薄さでは負けるが軽さはAQUOS zero6の方が上だ。
ただ、これはMi 11 Lite 5Gでも感じたことではあるのだが、軽さに重点を置いている分、ボディー素材は樹脂素材が中心となるため、軽さもあって手にした時の高級感や所有感が弱くなりがちでもある。このあたりの感じ方は好みによるところも大きいので、実際に手に取って判断してみることをオススメしたい。
ボディーデザインはiPhone 12/13シリーズに近いスクエアな印象のものだが、側面に窪みをもたせるなどしてホールド感を良くしているようだ。カメラ部分の出っ張りもかなり小さく、背面を背にして置いても傾きが少ないのはうれしい。
側面を見ると、7.9mmという薄さながらイヤホン端子を備えるなど、軽さを重視したモデルとしてはインターフェース類が充実している。ただ唯一、大きな不満点はGoogleアシスタントキーの位置だ。
というのもAQUOS zero6のGoogleアシスタントキーはボリュームキーと電源キーの間に設置されており、電源キーと出っ張りが大きく変わらない。Androidスマートフォンはボリュームキーのすぐ下に電源キーがある機種が多いので、そうした機種に慣れているとかなりの割合で電源キーとGoogleアシスタントキーを押し間違えてしまいやすい。
またGoogleアシスタントキーをこの位置に配置したことで、本体中心部分にキーが集中してしまい、スマートフォンを三脚などに装着するマウントを付ける位置がかなり制限されてしまうといった問題もある。Googleアシスタントキーの利用頻度を考えるとこの配置には疑問を抱かざるを得ない、というのが正直なところだ。
「AQUOS R6」の影響を受け画質改善が進んだカメラ
続いてカメラについてチェックすると、背面のカメラは約4800万画素/F値1.8の標準カメラと、約800万画素/F値2.4の広角カメラ、同じく約800万画素/F値2.4の望遠カメラの3眼構成で、レーザーAFも搭載している。
AQUOS zeroは元々ディスプレーと本体の軽さ、ゲーミングなどに重点を置いたシリーズで、カメラにはそこまで重点を置いているわけではない。それゆえ性能的にはミドルクラスに相応しい内容といえるのだが、新しい画像エンジン「ProPix3」を搭載し、従来よりも鮮明で高い画質の写真を撮影できるようになっている。
これまでシャープ製スマートフォンのカメラは、画質面に課題があるとの声が多かったが、ライカカメラと協業し1インチセンサーを搭載するなど、カメラ性能に力を入れたAQUOS R6の影響を受け、改善が進んだといえそうだ。ちなみに画面下部のメニューをスライドするとアイコンが現れ、どの機能を選んでいるかがわかりやすくなっているなど、インターフェース面もAQUOS R6からの工夫が継承されており操作しやすくなっている。
ただ気になったのは、望遠カメラがシーンによって白飛びしやすいケースが見られたこと、そしてカメラや設定の切り替えをする際の動作がやや遅いこと。切り替えの度にワンテンポかかってしまうことから、ハイエンドモデルでの撮影に慣れている人などは少々不満を感じるかもしれない。
一方のフロントカメラは、約1260万画素/F値2.3と、こちらも性能的にはスタンダードな内容。もちろん美肌機能はしっかり備わっており、分かりやすいインターフェースで好みの調整が可能だが、背景ぼかしもこちらで調整する形となり、カメラの「背景ぼかし」機能はフロントカメラで利用できないなど、やや混乱しやすい部分があるのには注意が必要だろう。
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