連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第5回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月23日~10月29日分
営業のデータ活用「できている」15%未満、AIサービスは約3割成長、世界のEC利用者は毎分600万人、ほか
2021年11月01日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。今回(10月23日~10月29日分)は、国内ビジネスアナリティクスとAIサービス、営業DX、企業間相互接続、コロナ禍で盛況なデジタルサービスのデータを紹介します。
■[AI]2020年の国内ビジネスアナリティクス(BA)サービスとAIサービス市場、コロナ禍でも2桁成長に(IDC Japan、10月27日)
・2020年の国内ビジネスアナリティクス(BA)サービス市場は、前年比10.6%増の6997億円
・AIサービス市場は前年比26.7%増の583億円
・BAサービス、AIサービスともにDX支援の中核に。2020年は新型コロナの影響は受けたものの2桁で成長
国内ビジネスアナリティクス(BA)サービスとAIサービスの市場の予測。ビジネスサービスとITサービスで構成されるBA市場は、ともに国内サービス市場全体の成長率を上回る成長(10.6%増)を遂げ、2020年は6997億円に。アナリティクス活用支援サービス、DXとデータ駆動型ビジネスに向けた支援が需要を底上げした。同市場は2020年~2025年、年間平均成長率(CAGR)11.5%で成長し、2025年には1兆2080億円に達する見込み。また、AIサービス市場は前年比26.7%増の583億円の売上高を記録、AIが組み込まれた領域特化型ソリューションの増加が成長を牽引した。2020年~2025年はCAGR31.8%で推移し、2025年には2317億円に達すると見込む。
■[ネットワーク]企業間相互接続のインターコネクション、2024年には2万1485Tbpsに、5年で4倍(エクイニクス、10月27日)
・DX加速によりインターコネクション帯域は2024年に2万1485テラビット/秒(Tbps)、年間85ゼタバイトを超える予想
・東京と大阪のインターコネクション帯域は、2024年までそれぞれ42%と50%のCAGRで増加
・マルチクラウド、アズ・ア・サービス化、エッジなどのトレンドがデジタルファースト戦略を加速
Equinixのインターコネクション(企業間の相互接続)年次市場調査「Global Interconnection Index(GXI) Volume 5」より。DXの加速によりインターコネクション帯域は急速に拡大しており、2024年には21,485テラビット/秒(Tbps)(年間85ゼタバイト)を超えると予想。CAGRは44%。東京はアジア太平洋地域で最も多くインターコネクション帯域が利用されおり、その内訳はネットワークと金融サービスが多い。大阪は他業種よりもクラウド事業者(ハイパースケーラー)による利用が多くを占めると予測している。コロナ禍でDXは加速、すでにデジタルファースト戦略を進めていた“デジタルリーダー”企業は、コロナ禍以前の4倍の速さでデジタル化を進めているという。
世界のインターコネクション帯域は2024年は2万1485Tbps、年間85ゼタバイトを超えると予想(出典:エクイニクス)
■[仕事・働き方]営業でデータ活用ができている企業は15%に(ソフトブレーン、10月25日)
・営業でデータを活用できている企業は14.9%
・管理・分析しているデータは「売上予実管理・分析」「顧客、企業属性・分析」
・「活用を意識したデータ収集ができていない」がデータを活用できない要因のトップ
ソフトブレーンが自社顧客170社を対象に実施した、営業DXについてのアンケート調査。期間は9月中旬から1カ月。営業でデータ活用が「できている」という回答は14.9%、「できていない」は44.6%に。営業が役立つデータは「顧客データ」(19.4%)、「営業行動データ」(16.1%)などが挙がり、実際に管理・分析しているものとしては、「売上予実管理・分析」(20.0%)「顧客、企業属性・分析」(15.6%)などとなった。データ活用ができない要因としては、22.8%が「活用を意識したデータ収集ができていない」を挙げた。「データがそもそも取れていない」(20.6%)、「管理・分析の人材がいない」(20.1%)と続いており、重要性は理解しているものの仕組みや人材に障害があることがわかった。
■[生活]新型コロナがデジタル生活に与えた影響、Amazonは毎分28.3万ドルを売り上げ、Teamsの利用は93%増加(Domo、10月25日)
・Zoomのウェビナー開催は毎分合計856分
・Facebookの写真投稿は毎分24万枚、2020年から63%増加
・毎分600万人以上がオンラインショッピングを利用
米Domoのオンライン消費者行動に関する年次調査「Data Never Sleeps」より。Instagram、TikTok、YouTubeなどの人気プラットフォームやアプリケーションが生成するデータから分析、今年は新型コロナが日常生活にどのような影響を与えたかにフォーカスした。在宅勤務でZoomの利用が急増したほか、Microsoft Teamsの1分あたりの利用人数は前年比93%増の10万694人に。オンラインショッピングも盛況で、毎分600万人以上が利用、Amazonは毎分28万3,000ドルを売り上げているとのこと。個人間の送金も増加、Venmoの送金額は毎分30万4414ドル、1000年の約24万ドルから6万ドル以上増加した。
さまざまなデジタルサービスで利用が増加した(出典:Domo)

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