第37回 SORACOM公式ブログ

ソラコム公式ブログ

明かりがついたらメールで通知 – SORACOMとmicro:bitで作ってみた

三國/ソラコム

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「明かりがついたらメールで通知 – SORACOMとmicro:bitで作ってみた」を再編集したものです。

 こんにちは、Customer Reliability Engineer (CRE) の三國です。

 このブログでは、教育向けマイコンボードのmicro:bit、センサーとSORACOM LTE-M Button Plusを組み合わせてメールを送信する方法を紹介します。micro:bitが持つセンサーで、明るくなった時、揺れや傾きを検知した時、周りで大きな音がした時にメールで知らせることができます。身近な課題の解決、プログラミング学習にぜひ活用してください。

micro:bitとSORACOM LTE-M Button Plusの解説

 micro:bitとは、イギリスのBBCが主体となって作った手のひらサイズの教育向けマイコンボードです。

 小型で安価にもかかわらず、明るさを感知する光センサー、揺れや傾きを検知する加速度センサー、方角がわかる磁力センサー、温度センサー、マイクといった多くのセンサーも搭載しています。また、LEDやスピーカーも搭載しているため、光や音など様々な表現での出力が可能です。さらに、端子に様々なパーツを接続できる拡張性もあります。

 SORACOM LTE-M Button Plusとは、ボタンのクリックや接点端子への入力によって「一回押された」「二回押された」「長く押された」という3種類のデータをクラウドへ送信できるIoTデバイスです。

 スマホで使われているLTEの省電力版 “LTE-M” を内蔵し、単四電池で動くので、Wi-Fi環境がなくとも利用できます。また設定はすべてSORACOMユーザーコンソールからできます。

「接点端子への入力」とは?
 スイッチのオン・オフのようなものです。理科の実験で、スイッチを「オン」にしたときに電流が流れて豆電球が光るように、接点端子へ入力があると SORACOM LTE-M Button Plus の回路に電流が流れて、スイッチをオンとなり、 SORACOM へデータを送信します。

デモ動画

 ここでは、micro:bitにライトを当てたらメールを送信してみます。人感センサーのように使えるのではないでしょうか。

 micro:bitのコード(プログラム)は以下のように簡単に記載できます。コードのURLはこちらです。

 それでは実際の作り方をご紹介します。

用意するもの

 全て揃えると、およそ1万円となります。

・micro:bit https://www.switch-science.com/catalog/6600/
・micro:bit用リレーモジュールキット https://www.switch-science.com/catalog/5842/
・SORACOM LTE-M Button Plus https://soracom.jp/store/5207/
・プラスドライバー
・ワニ口クリップ(なくても良いが、あれば便利):百円ショップや各種ネット通販でも入手できます

構成

 構成は以下の通りです。

 micro:bitの出力(= SORACOM LTE-M Button Plus への入力)をきっかけに、メールを送信できます。

 デバイスの物理的な構成は、以下の写真のようになります。micro:bit の電源はパソコンなどから給電しても良いですし、写真のように乾電池からも給電できます。

※乾電池で動かしたい場合は、専用電池ボックスを準備してください。

作成手順

 LTE-M Button Plusを設定する

 まずは以下のドキュメントに沿って、ボタンクリックをきっかけにメールを送ってみましょう。

■Getting Started: ユーザーコンソールに SORACOM LTE-M Button for Enterprise を登録する | SORACOM LTE-M Button for Enterprise ユーザーガイド | SORACOM Users

■Getting Started: ボタンクリック時にメールを送信する | SORACOM LTE-M Button for Enterprise ユーザーガイド | SORACOM Users

 ステップバイステップの手順としては、以下のIoT DIYレシピも参考にしてみてください。

■IoTでドアの開閉モニタリング – SORACOM (ソラコム) IoT DIY レシピ

 micro:bitにリレーモジュールキットを接続する

 スイッチエデュケーションのページを参照して、取り付けてください。プラスドライバーが必要です。また、接続する端子は「P0」「3V」「GND」なことに注意してください。

■micro:bit用リレーモジュールキット

リレーモジュールキットが必要な理由
 micro:bitの端子は1枚の金属になっています。そのため、micro:bitの端子に直接、接点端子を取り付けるとずっと短絡 (スイッチがオンの状態)してしまいます。リレーモジュールキットを間に挟むことで、micro:bitから電流を流したときにだけ短絡できます。リレーモジュールについてはスイッチエデュケーションの商品ページの説明が分かりやすいので是非ご覧下さい。

リレーモジュールキットにSORACOM LTE-M Button Plusを接続する

 写真のように、ワニ口クリップで繋げると簡単です。

 ワニ口クリップを使わず、直接SORACOM LTE-M Button Plusの接続端子をネジに巻き付けることもできますが、外れやすいです。

micro:bit にプログラムを書き込む

 たとえば以下URLのようなプログラムを書き込めます。プログラムを書き込む方法は、micro:bitのドキュメントを参照してください。

■microbit-button-plus-light

 micro:bitに光を当てたときにメールが送信されるのを確認しましょう。

注意
 SORACOM LTE-M Button Plus は一度クリックイベントが発生すると、次にクリックできるまでタイムラグがあります。

通知内容をカスタマイズする

 SORACOMユーザーコンソールより、メールの文面を変更できます。

■Getting Started: ボタンクリック時にメールを送信する | SORACOM LTE-M Button for Enterprise ユーザーガイド | SORACOM Users

 ガジェット設定メニューから、自分の好みに合わせて設定してみましょう。

プログラムをカスタマイズする

 micro:bitはブラウザー上でプログラムをカスタマイズできます。たとえば、以下のようなときにメールを送ることが可能です。

 micro:bit を揺らしたとき(振動検知に活用できます)

■microbit-button-plus-shuffle

 micro:bitに向かって大きな音を鳴らしたとき(人感センサーに活用できます)

■microbit-button-plus-sound

 SORACOM LTE-M Button Plusの接点入力の仕様は、商品ページをご覧ください。

おわりに

 IoTにおいて、「現場で起こっていることを通知したい」というのはとてもよくあるニーズです。

 ぜひ今回のブログを参考に身の回りの課題をIoTで解決してみてください!

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