第36回 SORACOM公式ブログ

ソラコム公式ブログ

自動化でミスを減少、ソラコムカスタマーサポートのZendesk活用と3つの取り組み

田渕/ソラコム

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「自動化でミスを減少、ソラコムカスタマーサポートのZendesk活用と3つの取り組み」を再編集したものです。

 2021年9月開催、Zendesk社主催オンラインセミナー「CX最新トレンドから紐解く、これからの顧客対応戦略」にソラコム カスタマーリライアビリティエンジニア(Customer Reliability Engineer、以下CRE)の三國が登壇し、ソラコムにおけるカスタマーサポートについてご紹介しました。

 ソラコムではお客様サポートを担当するエンジニアをCREと称しています。いわゆるサポートエンジニアではあるのですが、名前の由来や役割はこちらのブログも併せてご覧ください。

増え続ける顧客コミュニケーションに、どう対応するか

 セミナー前半は、Zendesk古田様から「ニューノーマル時代の顧客コミュニケーション」をテーマに、Zendeskユーザー企業調査の紹介がありました。

 2020年に問い合わせの数が増えたと答えた企業は20%おり、問い合わせ数は右肩上がりで増えているということです。また、調査によると、パンデミックの前後で、およそ61%の企業が新たなサポートチャネルを利用、カスタマーサポートに最適なチャネルも変わりつつあることが示されました。

 この環境のなかで、いかに効率良く、メンバーがクリエイティブにカスタマーサポートに従事できるかが課題となっています。これらを支援するZendeskの便利な機能について、デモンストレーションを交えて紹介がありました。

カスタマーサポート、早さと丁寧さの両方を実現するには

 セミナー後半では、ソラコムCREの三國がカスタマーサポートについて紹介しました。

 ソラコムでは、カスタマーサポートはトラブルシューティングを含む技術的な問い合わせを含むため、CREチームにもサポートスキルと技術知識が求められます。ソラコムにおけるCREは、利用者の質問に答えるだけではなく、問い合わせをすることなく自己解決できるためのドキュメントなどの整備、さらにはサポート自体の支援をするためのシステムの整備も自ら手がけます。

 また、問い合わせ対応終了後にサポート利用者アンケートを実施し、対応品質の確認をしています。ある四半期では、お答えいただいた内容のおよそ40%のコメントに「早」「速」というキーワードが含まれており、約10%のコメントに「丁寧」のキーワードが含まれていました。

 早さと丁寧さを実現するための方法として、必要な情報を集めやすく、かつ関連チームに連携しやすくする「チケット対応の環境整備」、技術知識やサポートスキルをブラッシュアップするための「サポートの品質の向上」の2点に取り組んでいると語り、Zendeskを使った具体的な実現方法を紹介しました。

1. チケット対応の自動化や省力化によるミスの抑止

 サポートチケットの見落しを防止するため、Zendeskの自動処理機能を使って担当者に通知しています。ソラコムでは、2021年6月からSLA付サポートプランも開始しましたが、Zendeskの「SLAポリシー」と「自動化」の組み合わせでスムーズに対応しました。

 ソラコムでは初回応答時間の保証付き「有償サポートプラン」を提供しており、特にご契約のお客様への迅速な対応は必須です。そこで、前述の「見落し防止」と同様の通知機能を使って、対応速度の向上と共にサポートチケットの見落し防止を同時に解決しています。

 そして、文章で回答する際に直面する「誤字脱字・用語の表記揺れ」を防ぐ方法として、テキストチェックツール「texlint」と連携しています。 Zendeskではサイドバーやポップアップなどにアプリを組み込めるようマーケットプレイスでさまざまなアプリを提供していますが、そのひとつとして「textlint」を組み込み、書いた返信のレビューを自動化、文章作成の速度向上とミス軽減に役立てています。

2. 情報集約によるコミュニケーションコストの削減

 ソラコムでは、2020年1月から基本的にリモートワークに推奨しています。リモートワークには、人に気軽に相談しにくいという側面がありますが、チーム内では1クリックで音声コミュニケーションを始められるSlackハドルミーティングや、毎日の朝・夕で短時間の定例ミーティングを実施し、気軽に話せる場を増やしています。

 また、カスタマーサポートには営業からエンジニアまで多くのメンバーが関わるため、途中からチケットの対応に関わった人も状況をオンライン上ですぐに把握できるよう、Zendeskを使った情報集約を徹底しました。Zendeskがマーケットプレイスで配布しているアプリを活用して、ソラコムの社内顧客DBとAPI連携し、Zendesk上で利用状況や担当を一覧化。エンジニアにエスカレーションする際は、エンジニアがタスク管理で使っている「Shortcut(旧 Clubhouse)」にZendeskから簡単に起票できるよう連携しています。

3. サポート活動の集計を効率化

 ここ1年で新たに強化した「CREチーム内の振り返り」。過去1ヵ月のサポートチケットを振り返り、得られたナレッジを全体共有、技術知識やサポートスキルをチームとして向上させる取り組みです。

 しかし、チケット数やチームメンバーが増えてくると振り返りも情報集約に時間がかかります。そこで、集計の効率化にも取り組みました。

 まずはじめに挑戦したのは、Zendeskのチケットに対するマクロでのタグ付けと分析機能での集計です。しかし、「なぜこのチケットを振り返りたいのか」が見えず、振り返りの効率化は実現しませんでした。

 そこで、チケットに振り返りのためのコメント欄を追加し、最終的には、各チケットから振り返りに必要な項目をSupport APIでテキストとして抽出、簡単に貼り付け可能にしました。

 この結果、振り返り用の資料作成の時間を大幅に削減。今では、ナレッジ共有やメンバーの活躍を認め合うことに時間をかけ、短時間でより密度の濃い振り返りができていると三國は締めくくりました。

 以上、ソラコムのCREチームの取り組みの一部をご紹介しました。なお、本セミナーの内容はZendesk様のサイトで公開されています。(登録要)よろしければ動画でご覧になって下さい。

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