ガチガチに足を硬くするのではなく
適度なロールで気持ちよく曲れる
走行性能を見てみると、ノーマルモードは足回りがやや柔らかめだが必要十分パワーで、アクセルに対してのレスポンスも良く、全長5m近いクルマとは思えないくらいクイックに走る。スポーツモードは明らかに足回りが硬くなり、全体的に引き締まって911のような緊張感を味わえる。筆者的には安全に軽快なドライブが楽しめるモードだと感じたので、試乗中はほとんどこのモードで走っていた。スポーツプラスは、サーキット走行用で車高が落ちて足回りも硬くなる。パワー特性も変わっているので、明らかに加速が鋭くなっていた。怖いので、ちょっと試しただけだったが。
そしてEVならではの「RANGE」(レンジ)も面白い。最高速度を100km/hに制限し、とにかく航続距離を長くする設定になる。速度が100km/hに到達する直前から加速が緩やかになり、100km/hに達したらアクセルを踏み込む限り100km/hで走る。加速もほかのモードにくらべるとゆっくりになるので、正直なところポルシェっぽさは感じられなくなってしまうのだが、このモードがあることによってEVとしてのポテンシャルがわかる。
【まとめ】走行性能と居住性を両立させた「タイカンCT」
オフロード・タイカンともいえるタイカンCT。お値段は試乗車の場合、1341万円(税込)。ベースグレードのタイカンが1203万円なので、その差は100万ちょっと。これが高いか安いかは置いておいて(筆者にはどちらも高いが)、パワーもあって荷物も人も乗り(タイカンCTは5人乗り)、オフロードも走れるタイカンCTにするのか、4ドアサルーンとしてラグジュアリーに乗れてちょうどいいスペックのタイカンにするか。自分のライフスタイルに合わせて選べるのはいいかもしれない。
話は変わるが、タイカンは無料でソフトウェアアップデートを行なった。これによりポルシェコネクトの新機能や、エアサス装着の場合はスマートリフトが使えるようになったり、加速性能がアップしたりするのだが、これがスマホと同じようにオンラインアップデートなのだ。まさに走るスマホと言えるだろう。今後、これが自動車のスタンダードになり、マイナーアップデート版の発売で悔しい思いをすることもなくなるのかもしれない……。
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