今回は、お家でできる砂鉄スライムの作り方をご紹介します。作ったスライムに砂鉄を加えるだけで、磁石にくっついて不思議な動きをするようになるのです。目玉などの飾りつけをすれば動く生き物のように見えたり、不気味なおばけのように見えたりするので、ハロウィンなどにもおすすめです。お家で過ごす時間が増えた今、ぜひチャレンジしてみてください。それでは今日もレッツサイエンス!
■自己紹介
サイエンスエンターテイナーの五十嵐美樹(twitter:@igamiki0319)です。国内外問わず科学実験教室や特技のダンスを活かしたサイエンスショーを開催し、子ども達が科学の一端に触れるきっかけを創っています。
本連載では、商業施設などのオープンな場での科学実験教室やサイエンスショーで、子どもたちからの人気が高かった実験や工作や科学にまつわる情報をご紹介しています。
砂鉄と磁石を近づけてみよう
砂鉄スライムを作る前に、まずは、砂鉄と磁石を近づけた時の様子を観察してみましょう。
【準備するもの】
・磁石 ※ダイソーやネット、東急ハンズなどでお買い求めいただけます。
・砂鉄 ※ネットや東急ハンズなどでお買い求めいただけます。
・下じき
【実験のやり方】
下敷きの上に砂鉄を乗せて、下敷きの下から磁石を近づけます。すると、砂鉄がギザギザと立ちました。磁石を動かすと、砂鉄が磁石についてくる様子も確認できます。
磁石を自由に動かして、その様子を子どもたちに聞くと、砂鉄の形や動きをよく観察してくれます。磁石の周りにどのような力が働いているのか、探求するための導入としておすすめです。
不思議な磁性流体
今度は、不思議な黒い液体を使って実験してみます(こちらを使用)。磁石を近づける前の黒い液体は写真(上)のような形ですが、磁石を近づけると写真(下)のように黒い棘のような形になりました。
この黒い液体は、「磁性流体」と言います。砂鉄と同じように磁性を持つ微粒子を水となじまないオイルに混ぜたものです。磁石はN極からS極に向けて、磁力線が放射状に出ています。
この磁力線に沿って磁性流体が集まろうとしますが、磁性流体同士の反発によってこのトゲのような形になると考えられています[1]。ちなみに磁性流体は、宇宙開発にも使われてきました。1965年にアメリカでロケット燃料を無重力中で制御する手段として提案されて以降、研究開発が進められ宇宙船や宇宙服に使われていたことが知られています[2]。
宇宙開発にも使われている技術や、その技術の元となる磁石と砂鉄の面白い性質を観察したところで、磁石と砂鉄を使って楽しめる不思議なスライムを作ってみましょう!
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