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多くのIT資産が残るオンプレミスからの移行に最適なVMware環境を実現

マルチクラウドのハブとなるIIJ GIOの新版 運用管理サービスも強化

2021年09月15日 17時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2021年9月15日、インターネットイニシアティブ(IIJ)はオンプレミスからの移行を促進するIaaS型クラウドの新版「IIJ GIOインフラストラクチャー P2 Gen.2」を10月から開始する。業務負荷を軽減する運用管理サービスも強化し、マルチクラウドのハブになるクラウドサービスを目指す。

発表会に登壇したIIJ 執行役員 クラウド本部長 染谷直氏

クラウド利用は進むが、多くのIT資産はいまだにオンプレミス

 IIJは、2012年から「IIJ GIO」のブランドで展開しているクラウドサービスを中心に、オンプレミスやマルチクラウドを接続できるネットワーク、SOCを中心にしたセキュリティや運用管理、「Digital Work Place」を支えるITインフラサービスなどを展開している。これらIIJのサービスは、企業のクラウド利用の活性化で堅調に推移しており、自社クラウドに加え、パブリッククラウドによる売上も増加しているという。

 コロナ禍にともなう働き方の変化やデジタル化の渇望、外資系クラウドへの抵抗感が下がり、クラウド利用のコモディティ化が進んでいるが、多くの資産はいまだにオンプレミスにある。IIJの調べによると、サーバーの50%以上をクラウド化済みの企業は全体の20%にとどまるという。

多くのIT資産はオンプレミスにとどまる

 クラウド化を阻む要素はなにか? 総務省の情報通信白書では、「情報漏えいやセキュリティのリスク」「既存システムの改修コストが大きい」「ネットワークの安定性に不安がある」などが挙げられている。一方、オンプレミスには、設備更改が必要で初期費用も高額。さらにはインフラ保守要員の確保やリソースの増減が難しいといった課題がある。

 こうした課題に対して、IIJが長らく手がけてきたのはオンプレミスから移行しやすいVMwareベースのクラウドだ。2012年に「持たないプライベートクラウド」としてVMware環境をクラウド化した「VWシリーズ」の提供を開始。2015年からはパブリック型とプライベート型を選択できる「IIJ GIOインフラストラクチャー P2」をスタートさせている。

 そして、10月から開始されるのが、パブリッククラウドのようなリソース追加の柔軟性と、仮想化基盤運用からの解放を実現する「IIJ GIOインフラストラクチャー P2 Gen.2」になる。IIJ 執行役員 クラウド本部長の染谷直氏は、「プライベートクラウドの移行性を有しつつ、パブリッククラウドの特徴であるオンデマンドでのリソース拡張・縮退を可能にする第三の選択肢」と説明している。

IIJ GIOインフラストラクチャー P2 Gen.2のポジション

オンプレミスからのスムーズな移行が可能 柔軟性やマルチクラウド対応も

 IIJ GIO P2 Gen.2は、仮想化基盤としてVMwareを採用しており、移行に際しても、オンプレミス環境での設計思想や運用体制の変更を最小限に抑えられる。仮想アプライアンスの持ち込みや複数の仮想マシンのインターフェイス設定、あるいはプライベートセグメント(VLAN)の構築も可能で、ネットワークの転送量は従量課金なし。データ同期ツールも用意され、移行作業をサポートするメニューも用意される。

 また、ESXi環境を提供する既存のデディケイテッドサーバーリソースに加え、新たにフレキシブルサーバーリソースを用意。VMware環境でありながら、サーバーリソースを自由に割り当てて、1vCPU単位で利用できるため、物理ホスト単位で追加する従来のVMware環境に比べてスモールスタートが容易になっている。また、物理サーバーが隠ぺいされるため、基盤運用の業務からも開放されるという。

フレキシブルサーバーリソースとデディケイテッドサーバーリソース

 IIJとしては、IIJ GIOを「ハブ」としてマルチクラウド活用を促進し、さまざまなサービスからデータ利用を可能にする戦略をとっている。具体的には、各サービスを直接つなぐネットワークのハブである「IIJクラウドエクスチェンジサービス」を提供しており、すでにAWS、Microsoft Azure、Microsoft 365 、Google Cloud、OCIなどと接続済みだ。また、複数のクラウドを対象とした「IIJ総合運用管理サービス」では、マルチクラウド総合監視や各種自動化ツールを提供しており、効率的な管理や運用を支援する。自社のクラウドにユーザーを囲い込むのではなく、マルチクラウドを適材適所で利用できる環境を用意しつつ、ネットワークやセキュリティ、運用管理などで強みを出していくのがIIJの目指す方向性だ。

マルチクラウドのハブとなるIIJ GIO

 IIJ GIO P2は各種の認証・評価制度も積極的に取得しており、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAPも今秋には取得できる予定。また、EU GDPRに関わる個人データの域外移転を許容されたBCR(Binding Corporate Rules)にも注力しており、グローバルレベルでのデータ保護にも配慮している。

マルチクラウドの運用管理サービスに「構成管理」と「ITSM」が追加

 さらに今回、「UOM」と呼ばれるマルチクラウドの総合運用管理サービスも強化し、新たに「構成管理」と「ITSMツール」を追加する。

 UOMは2012年から開始されており、システムの監視やアウトソーシングのほか、ジョブ管理、自動オペレーションなど次々と機能を追加。2017年にAzureを、2018年にはAWSをサポートし、マルチクラウドの統合監視環境として利用できるようになった。

 今回追加された構成管理ツールでは管理情報が古くなったり、保守期限管理が漏れがちなExcelベースの管理を脱却すべく、各クラウドやオンプレミスのインベントリを収集。構成情報を自動取得し、ライセンスや保守の更新をメールでお知らせしてくれる。Excelからのインポートも可能で、アクセス権をつけることでセキュリティも担保する。

 また、ITSMツールは、属人化しがちな運用管理をワークフロー化することで、業務を標準化する。ITILベースのサンプルテンプレートをカスタマイズすることで、業務にあったワークフローを構築できるという。内容に応じた承認プロセスを配置できるほか、作業工程を管理者がチェックすることで、運用統制を強化する。

ITSMツールではワークフロー化を推進する

 今回の機能強化によって、運用ノウハウのテンプレート化が進んだ結果、UOMはマルチクラウドの運用を支えるオペレーションのハブに成長するという。今後は構築自動化や情報サイトなど、業務効率化につながるツールや機能も提供される予定となっている。

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