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「クラウド戦略実態レポート」を発表

企業の約76%がマルチクラウドを採用、スキル不足や予算が課題に。米ハシコープ調査

2021年09月22日 19時00分更新

文● ASCII

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米HashiCorp、「クラウド戦略実態レポート」を発表

 米HashiCorp(ハシコープ)は9月22日、3000人以上のIT専門家を対象にクラウド導入の実態、課題や阻害要因、新型コロナウイルスがクラウド採用へ与える影響などを調査し、「クラウド戦略実態レポート(Stateof Cloud Strategy Survey)」(英語)を発表した。

クラウド導入の実態:ほとんどの企業はすでにマルチクラウドを採用済み

 調査回答者の76%が、すでに社内でマルチクラウド戦略を採用していると回答。また53%は、マルチクラウド戦略が企業のビジネス目標達成に役立っていると考えており、現在のところ、大企業がマルチクラウドにより得られる価値を最も認識しているという。

 マルチクラウドの採用を促進している最大要因はデジタルトランスフォーメーションであるという回答が最も多く(34%)、次いでシングルベンダーロックインの回避(30%)、コスト削減(28%)となった。大企業の間でデジタルトランスフォーメーションを1番に挙げたのは、中南米、アジア太平洋にある企業と金融サービス業だった。

 大手のパブリッククラウド3社の中では88%がAWSを利用しており、これが最大のクラウドベンダーだった。しかしながら、今後2年間、AWSの利用には変化がないだろうと回答者は予測している。Microsoft Azureは使用あるいは使用目的として2番手(74%)、Google Cloudは3番手(64%)だった。

クラウドの費用と予算超過

 回答者が所属する企業の40%は、クラウドに年間10万ドルから200万ドルの予算を費やしている一方、27%の企業では10万ドル未満だった。18%の企業が200万ドルから1000万ドル、15%の企業は1000万ドル超の年間予算をクラウドに費やしている。

 回答者の39%が、クラウドに計画していた予算を超過したと回答しており、その原因で最も多かったのが優先順位の変更(29%)または新型コロナウイルスに関連した予期せぬ費用(21%)だと答えている。また、より多くの予算をクラウドに割いている企業ほど、クラウド化を推進する組織であるクラウドセンターオブエクセレンス(CCoE)を持っている割合が高かった。

クラウドプログラムの課題と阻害要因

 マルチクラウドプログラムの阻害要因の上位は、コストへの懸念(51%)、セキュリティーへの懸念(47%)、そして社内のスキル不足(41%)だった。同様に企業はマルチクラウドの運用にも苦労しており、理由の上位は、スキル不足(57%)、人員数に影響する予算制限(27%)、クラウド環境間でのワークフローが一貫していない(33%)、組織やチームのサイロ化、協業がうまく進まない、プロセスが複雑すぎる(29%)など。

クラウド導入の推進要因と阻害要因

 調査結果によると、クラウドセキュリティーはマルチクラウドの推進要因でもあり阻害要因でもあることが分かった。回答者はデータとプライバシーの保護(40%)、データの漏洩(33%)、法令遵守(31%)がクラウドセキュリティーへの懸念の上位であることで一致していた。

 クラウドセキュリティーに関する最も大きな課題については、スタッフの確保とスキル不足(26%)がトップに挙がり、ツール不足とリアルタイムの可視性やインサイトの欠如(それぞれ12%)が続いた。

クラウドは新型コロナウイルス・パンデミックへの対応だけではない

 新型コロナウイルスが企業のクラウド導入に与えた影響に関しては、回答者の46%が、パンデミックはクラウド導入加速につながらなかったと答える一方、54%は新型コロナウイルスがクラウド導入のスケジュールに何らかの影響を与えた答えている。

 19%が影響は小さく、6~12ヵ月ほど取り組みを早めたという回答だが、26%は中程度の影響があり1年~2年ほど取り組みが早まったと答えている。また、9%の企業がパンデミックにより取り組みを2年以上早めたと回答した。

 新型コロナウイルスの影響で進んだインフラストラクチャー構想の上位は、Infrastructureas Code(49%)、コンテナオーケストレーション(41%)、コンプライアンスとガバナンス、ネットワークインフラストラクチャーの自動化(それぞれ33%)だった。同社は、新型コロナウイルスによりオープンソースソフトウェアの利用が増えたと答えた回答者が39%に上ったことに注目している。

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