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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第281回

App Store外の課金手段を緩和するアップル 集団訴訟に対し和解に応じる

2021年09月01日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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では、実際のユーザーは外部の決済手段を使うものなのか?

 アップルのアプリエコシステムの運営に厳しい目を向けるのは、民間企業や開発者だけではない。米国だけで、消費者はモバイルアプリに年330億ドル近くを費やしている。規制当局も目をつけないわけにはいかない市場なのだ。

 米上院は8月、モバイルアプリのエコノミーにおける競争を奨励するとして、「Open App Markets Act」という法案を作成した。成立すれば、アプリ内課金システムをはじめとした課金、そして外部のアプリストアへの門戸を開くものとなる。

 もちろんアップルにも言い分はある。ティム・クック氏は6月にフランス・パリで開催された「Viva Technology」にオンライン登場した際に、App Storeを経由しないアプリのサイドローディングは自分たちがこれまで大切にしてきたユーザーのプライバシー保護、そしてセキュリティへの取り組みを台無しにすると主張した。また、Androidに比べてマルウェアが少ない(「AndroidのマルウェアはiOSの47倍」だそうだ)ことも自慢した(「欧州では厳しい目を向けられるアップル ティム・クック氏はApp Storeのメリットを強調」)。

 「顧客は我々の取り組みに価値を感じている」とクック氏はアピールしている。実際、Epic Gamesとの訴訟でアップルが提出した書類から、世界中で500人近くの従業員がレビューに従事していることがわかった。ユーザーの安全に投資しているというアップルの主張もわからなくはない。

 とは言え、最も重要な点は、App Store外での課金などに対して、消費者がどう反応するのかだろう。

 なお、和解案は法廷の承認を得る必要がある。

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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