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さすがマッキントッシュ! 最新ヘッドホンアンプを試したら素晴らしすぎて溜息が出た

2021年09月03日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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マッキントッシュ/MHA200(39万6000円・税込)

 コロナ禍により、テレワークなどで家にいる時間が増えた方は多いのでは? その影響もあってか、オーディオ機器の売り上げが好調のようです。特にイヤフォンやヘッドホンなどはZoom会議が当たり前となったこともあってか、売上は右肩上がり。筆者も在宅ワーク用としてヘッドホンを入手したのですが、もう少し音質を何とかしたいと常々思っていたので、米国の老舗オーディオブランド、「McIntosh(マッキントッシュ)」の最新ヘッドホンアンプMHA200(39万6000円)を試すことにしました。

往年の名器を彷彿させる
マッキントッシュ初の管球式ヘッドホンアンプ

マッキントッシュ/MHA150(71万5000円)

 マッキントッシュは、1949年にフランク・H・マッキントッシュによって設立。数多くの名作を世に輩出してきたことでも知られています。ですが、ヘッドホンアンプは2014年に登場したMHA100が最初。その後、後継モデルで、チャンネルあたり50Wのスピーカー出力を搭載したMHA150(71万5000円)をリリースしました。両機はいずれも増幅素子にトランジスタを用いたモデルで、かつUSB入力対応D/Aコンバーターも搭載していました。

マッキントッシュ/MHA200(39万6000円)

 ですが、今回紹介するMHA200は、同社ヘッドホンアンプとしては初となる増幅素子に真空管を用いたモデル。エクステリアは同社往年の管球式アンプMC240やMC275といった趣で、大きさは幅15.6cm、奥行き23.2cmと、フルコンポサイズだった従来モデルと比べて小型化。少し広めの机ならノートPCの横に置けるサイズといえるでしょう。

増幅素子に双三極真空管の12AT7と12BH7Aを採用

 回路構成は、電圧増幅の初段に12AT7、ヘッドホン出力用に12BH7Aを採用したユニティ・カップルド方式という本格的なもの。この組み合わせでピンときた方はオーディオマニアで、同社管球アンプではおなじみの回路構成です。もちろんマッキントッシュご自慢の出力トランスももちろん搭載しています。

入力端子部

 入力端子はアナログ・アンバランス/バランスを各1系統装備。USB入力などデジタル入力は備えていません。入力切替はなく、どうやら同時接続は不可の模様。今回はバランス接続で視聴しました。電源インレットはメガネタイプの2ピン仕様です。

出力端子や各種ノブを配置

左からインピーダンス切替ノブ、電源スイッチ、ボリュームノブ

 反対側には各種ノブやスイッチ、そしてヘッドホン出力端子をそなえています。左側のツマミは出力インピーダンス切替ノブで、32Ω、100Ω、250Ω、600Ωと4ポジションを用意。ちなみに出力はチャンネルあたり500mWです。

 プッシュ式の電源スイッチを採用しており、ボタンを押すと真空管を下から緑LEDで照らし出します。長時間無音状態が続くと、どうやら自動的にパワーオフになる模様。真空管には寿命がありますから、オートパワーオフ機能はうれしいところです。

 ボリュームノブはセンタークリック付き。センタークリックに合わせると、外部プリアンプと接続した際にユニティゲインになって使いやすくなるのだそう。ボリュームノブの感触は、マッキントッシュ製プリアンプのイコライザーなどと同じく、実に滑らかなフィーリング。イイ物感が指先を通じて伝わってくるようです。

出力端子部

 ヘッドホン出力端子は、アンバランスの標準ステレオジャックのほか、XLR4ピン、XLR3ピン×2によるバランス出力を用意。バランス接続による高品位な音も楽しめるるのはうれしいところです。

本体底面

底面を開けたところ

 裏蓋を開けて内部を見ると、緑の基盤に赤いWIMAのコンデンサーという、イマドキのマッキントッシュらしい基盤が目に飛び込んできます。表面実装基板に見慣れた目からすると、アキシャル部品が並ぶ本機の基盤は、どこか懐かしさを感じさせます。基板上にはUSB-B端子も用意されているのですが、これはコントロール用ファームウェアの書き換え用と思われます。

リアパネルは素っ気ないもの

 クラシカルなマッキントッシュロゴのフロントパネルに対し、リアパネルは素っ気ないものになっています。

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