MM総研は、2020年度にGIGAスクール構想によって導入された端末(パソコン、タブレット)の利用状況などについて、全国の1万人の小中学生および、1万人の保護者を対象にした大規模な調査を実施し、その結果を発表した。
調査は、2021年8月2日~6日に、ウェブアンケートによって実施したもので、63%の児童、生徒に対して、端末が「配られており、利用している」という結果になったものの、「家に持ち帰って使う」という利用は全体の28%に留まっていることがわかった。
オンライン授業や在宅学習はまだまだ浸透していない
新型コロナウイルスが、10歳以下の子供たちにも急速な勢いで感染が拡大しはじめ、自治体によっては、夏休み期間を延長したり、8月中まで臨時休校にしたりといった措置を講じる動きが出るなか、オンライン授業による感染対策への期待感とは裏腹に、オンラインを活用した在宅学習を実施する環境は、まだ整っていないというのが実態のようだ。GIGAスクール構想で整備した端末の積極的な活用によって、コロナ禍でも学びを止めない環境の実現が求められている。
GIGAスクール構想は、小中学校の児童、生徒に1人1台の端末利用環境を整備したもので、業界の試算によると、2020年度中に約800万台の端末が教育現場に導入されたという。調査では、1万人の児童、生徒が回答。端末が「配られており、利用している」のが63%、「配られていない」が36%、「配られているが、利用していない」が2%となった(※合計が100%にならないのは、端数処理の方法による)。
文部科学省によると、2021年3月末までに、全体の96.5%にあたる1748自治体で、端末の納品が完了したとしているが、今回の調査によると、実際に端末を配布して、利用しているとの回答は2/3に届かなかった。だが、教員の習熟や児童、生徒1人ひとりへのIDの配布などの利用環境の整備など、利用する環境を整えるまでに一定の時間がかかることを捉えて、MM総研では、「短期間のうちに利用を開始している」と総括している。