この夏話題のスマホといえば、ライカカメラを搭載したシャープのAQUOS R6(と、そのライカブランドバージョンのLeitz Phone 1)。シャープがとうとうカメラに本腰を入れたか! 何しろライカだ、ってんでカメラ好きの間で盛りあがったのだ。
まあ、ライカがスマホに協力するのは今回がはじめてじゃなくて、2014年にパナソニックから出たCM1はライカレンズ搭載のデジカメ+スマホだったし、最近ではファーウェイがライカと協業してカメラ性能の高さでヒットしたわけで、ライカとしてもいろんな会社と協業するのはやぶさかではない感じだ。
2021年はシャープである。他のスマホに比べて大きな「1型イメージセンサー」(ハイエンドコンパクトデジカメと同じサイズ)を採用して、根本的な基本画質向上を目指したのが特徴だ。
というわけで、猫とたわむれに「保護猫シェルターQUEUE」へ。冒頭写真はカウンターでびよんと伸びて寝そべってた猫。お客さんに撫でられて気持ちよさそうにしてたところを撮影。猫瞳AFなどは持ってないので、顔の辺りを指でタップしてタッチAFで撮影。このように近距離で何気ない仕草をさっと撮りたいときにスマホスタイルはいい。
このカウンターでびよんと伸びた猫のびよ~んっぷりを足元から狙ったのがこちら。超広角のシングルカメラなのでそれを活かして遠近感を出して撮ってみた。めっちゃ伸びてる。
ライカと聞いて「もしやデジカメいらずか?」、と期待した人もいたようだが、これは「スマホとしても使えるデジカメ」じゃなくてあくまでも「カメラ性能が高いスマホ」だ。カメラアプリもスマホそのもの。AIが猫と認識してるのがわかる。
デジカメじゃなくて、デジカメっぽい写真を撮れる高画質なスマホって認識で使うべし。スマホの良さは機動力と、片手でも(しかも左手でも右手でも)さっと撮れること。
猫を撫でる時って思わず右手(というか利き手)を使っちゃうじゃない。スマホなら利き手以外でも撮れるので大丈夫。デジカメは右手でシャッターを押す前提のデザインだからね。子猫がじゃれついてきたら撮るより前にまず手を出しちゃうじゃない。で、空いている手でスマホを持って撮るのだ。
AQUOS R6はライカと協業したデジカメらしさと、オートHDRやAIシーン認識などのスマホらしさが共存しているのが良さなのだが、画質的には一般的なスマホカメラに比べるとナチュラル系で少し暗めに写ることが多い。なのでここでは撮影した写真をちょっと明るく補正してある(カメラの画質チェックの記事じゃないからそれでいいのだ)。
では次のシーン。お客さんがねこじゃらしで子猫と遊んでたら、大人猫がそれを気に入ってぱくっと加えてケージの中に持って行ってしまったのだ。子猫はケージの前でじっと見てるという図。
で、2匹の子猫の様子が面白かったのでそのまま低い位置で。ケージにいるハチワレは取り上げられたねこじゃらしを目で追っております。
ついでにいえば、この日は雨天。屋外が暗いと室内も暗い。当たり前ですな。でも大きなイメージセンサーを持ってるので、室内などISO感度が上がるシーンでも画質が落ちない、さらにはシャッタースピードを維持できるってのがよいのだ。
保護猫シェルターは猫カフェではなく、猫を保護して検査してワクチンも打ち、病気があれば治し、ある程度育ったら去勢もし、譲渡できる状態にして里親を探す場所。なので、保護されたばかりでまだケージから出して貰えない子猫がいることもままある。
でも子猫ははやく外に出て遊びたい。で、ケージに飛びついたりするのである。まだ爪も切られてない子猫がいたので真上から。ぎょわんと伸びてる様子がいい。
では猫たちも遊び疲れてまったりしはじめたので、ここで終わりって感じで真上から。そうそう広角で真上から撮るのって楽しいけど、自分の足先が写りがちなので注意。
そんなわけで、ちょっとAF速度はイマドキのスマホとしては遅めで動作にサクサク感に欠けるところがあるけど(その辺はちょっと残念)、室内撮影時の画質はさすがにヨシのAQUOS R6。
シャープってケータイにはじめてカメラを搭載したメーカーであり、一時はカメラで選ぶならシャープと言われた時代もあったわけで、これを期にスマホでもシャープらしい高画質を追求して欲しいと思うのである。
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筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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