2021年8月6日午後7時より(グローバルでは8月20日22時より)、AMDはSoecket AM4用の新APU「Ryzen 5000G」シリーズの販売を解禁する。この新APUの製品コンセプトや発売時期等についてはCOMPUTEX 2021速報記事で報じた通りだが改めてまとめると、Ryzen 7 5800Xの下位モデルとして投入されるのが「Ryzen 7 5700G」、同様にRyzen 5 5600Xの下位「Ryzen 5 5600G」の2モデルが既存のRyzenと同じ「リテールパッケージ版」として投入される。
本邦における予想販売価格はRyzen 7 5700Gが税込5万1800円、Ryzen 5 5600Gが3万6800円となり、対応するRyzen 5000シリーズの実売価格(それぞれ5万3000円、3万7000円)よりもわずかではあるが安く設定されている。
さてAPUといえば、2020年7月に流通が始まった「Ryzen PRO 4000Gシリーズ」が存在する。ただこれはメーカー製PC等に向けたCPUを自作PC市場に“特例的に”持ち込んだもので、日本を始めごく限られた地域でしか手に入れることができない(AMD本社的にはRyzen 4000Gシリーズのリテール版販売は“戦略上スキップした”扱いである)。従って今回のRyzen 5 5000Gシリーズは2世代前(Zen+世代)、Ryzen 3000Gシリーズの正統後継者といえるだろう。
Ryzen 5000シリーズはその優れたコストパフォーマンスで大成功を納めたCPUであることは異論を待たないが、内蔵GPUを持たないため、パーツ選びの幅を狭めてしまうというのがネックとなっていた。ビデオカードの価格が高いままの現状では大きなハンデといえる。だがRyzen 5000Gシリーズなら、ビデオカードを省略できるため、パーツ選びの幅も増えるし、何より低予算で組める。
今回はAMDよりお借りした検証用サンプル(製品版と同じパッケージ入り)を用いて、簡単ではあるが内蔵GPUの性能にフォーカスしつつ検証してみた。既存のRyzen PRO 4000GシリーズやGPUのない5000シリーズとはどの程度違うものなのか? 時期的にSocket AM4最後のAPUとなる存在だけに注目が集まる。
この連載の記事
-
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 - この連載の一覧へ