請求書をメールで送りたい!- RPA+Excelで実現する方法 -
コロナ禍により、テレワークに取り組むお客様が増えています。そのためか、当社にも「請求書をメールで送って欲しい」とおっしゃるお客様が増えているようです。やはり、請求書を郵送でお送りしていると、請求書を処理するために出社する必要があります。そのため、テレワークしたくてもできない。請求書がメールで送られてきたらいいのになあ・・
このようなお悩みのようです。
当社は、お取引先から「請求書をメールで送って欲しい」との要請があればそのように対応しています。
そこで、本ブログでは当社がどのような方法で対応しているか、ご紹介したいと思います。
目次
1.はじめに
2.対応方法の検討
①基幹システムで対応する
②クラウド型の請求書発行サービスを利用する
③担当者が自分のメーラーで送信する
④RPAツール「Autoメール名人」を利用する
3.自社に適した方法で対応する
1.はじめに
前述の通り、当社もお取引先様から「請求書をメールで送って欲しい」とご要請いただくケースが増えてきました。これまで、当社は請求書を郵送していましたので、メールでお送りするのは新しい試みとなります。
では、どのようにして請求書のメール送信を行うのか。
本論から外れますが、ユーザックシステムでは、2000年より5S活動に取り組んでいます。ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」という言葉の頭文字のSを取ったもの。詳しくは5Sを解説するページがたくさんありますので、そちらをご参照いただければと思います。当社の5S活動の特徴は、一般的に行われている執務環境に対する改善活動に加え、仕事の進め方に対する工夫改善も5S活動内でおこなっていることです。
請求管理について、ユーザックシステムでは管理本部が所轄しています。そこで、請求書のメール送信についても、どのように業務プロセスを変更すればよいのか、管理本部の5Sチーム内で検討することになりました。
2.対応方法の検討
検討の結果、以下の案が出てきました。
①基幹システムで対応する
②クラウド型の請求書発行サービスを利用する
③担当者が自分のメーラーで送信する
④RPAツール「Autoメール名人」を利用する
まず、①の基幹システムで対応する案ですが、やはりこれが一番スムーズだと思います。請求書を複写式のドットプリンタではなく、PDFで出力する。そして、取引先にメール送信する。これら、一連の流れが基幹システムの機能にあれば運用もスムーズです。しかし、当社の基幹システムにはそのような機能は実装されていませんので、システムの改修が必要になります。検討の結果、現段階ではシステムの改修は見送られました(基幹システム刷新の計画があるため)。
次に検討したのが②のクラウドサービスです。現在、さまざまなタイプのクラウド型請求書発行サービスが世に出ているようです。例えば、あるサービスは、帳票データのCSVかPDFをクラウド上にアップロードすれば、取引先へWebやメールなどで提供してくれます(郵送やFAXも可)。大変便利なサービスなのですが、当社の基幹システムにはPDFへの出力機能がありません。また、CSVファイルも簡単には生成できないため、残念ながら見送ることしました。
その次に検討したのは、③の自分のメーラーで送信する方法です。確かに、この方法だとコストをかけることなく、直ぐに始めることができます。一方、メールの誤送信などのリスクが考えられるほか、送信担当者に過度の負担を強いる点が懸念されたため見送られました。
最終的に、採用された案が④のRPAツール「Autoメール名人」の利用です。これは、ユーザックシステムオリジナルのRPAツールで、メールの送受信業務に特化した自動化ツールです。管理本部内の5Sチームでは、基幹システムの改修に経営資源を投入できない今、自前のツールを活用して業務改善を進めていこうとの結論に達しました。
3.自社に適した方法で対応する
方向は決まりました。あとは、どうやって具体化していくかです。
まず、請求書のPDF化です。前述の通り、当社は現在、基幹システムからダイレクトにPDFファイルを出力することはできません。そのため、通常通りドットプリンタから請求書を発行した後、複合機でスキャンしてPDF化する方法をとりました。ここは担当者に負担がかかりますが、基幹システムを刷新するまでは致し方ありません。
また、別途Excelで「請求書メール送信先一覧」を作成しました。ここには、取引先コードや取引先名のほか、メールアドレス、送信先の担当者名などを一覧化しています。「Autoメール名人」には、データベースやExcelファイルを参照する機能がありますので、メール送信時にはこのExcelファイルを参照しつつメールを送信する計画です。
一方、複合機から保存したPDFのファイル名には、取引先コードを付与して保存するようにしました。
そして、一連の流れはこのようになります。
(1)「Autoメール名人」を起動する
(2)「Autoメール名人」が請求書のPDFファイルが保存されているフォルダにアクセスし、ファイル名(取引先コード)を確認する
(3)次いで「請求書メール送信先一覧」のExcelファイルにアクセスし、(2)で認識した取引先コードの情報を参照する。
(4)(3)の情報(社名など)をメール文のテンプレートに差し込む。
(5)PDFファイルをパスワード付きZipファイルに変換して添付。
(6)(5)をメール送信。
(7)パスワードを別メールで送信。
※取引先によって、処理の流れが異なります。
「Autoメール名人」を利用した、当社の請求書発行業務の流れは以上となります。
ユーザックシステムでは、今回ご案内した方法によって、現在は約20社に対し、請求書のメール送信をおこなっています。
請求書のメール送信先を新たに追加する場合は、「請求書メール送信先一覧」のExcelに必要事項を記入すればOK。Excelベースで送信先の管理ができるので、現場でのオペレーションがラクな点が◎です。
今回の業務改善によって、お取引先からの「請求書をメールで送って欲しい」との要請に無事お応えすることができました。一部、手作業はありますが、基幹システムを刷新すればPDFも自動生成できる見込みです。また、PDFの自動生成が実現したら、今回設定したフローがそのまま活用できる点も評価ポイントです。
また、何よりもこれら一連の設定を、社内のシステムエンジニアに依頼するのではなく、管理本部の5Sチーム内だけで実現できた点が良かったと考えています。
「請求書をメールで送って欲しい」
取引先からこのような要請があった場合、「Autoメール名人」も解決策の一つとして、ぜひご検討いただければと思います。
メールの送受信業務を自動化するRPA「Autoメール名人」の詳しい情報はこちらから
※本ページの内容はユーザックシステムの「業務改善とIT活用のトビラ」の転載です。転載元はこちらです。
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