スタートアップの知財メンタリング、そのメリットとは
知財アクセラレーションプログラム「IPAS2021」締め切りは7月19日
特許庁が手がける知財アクセラレーションプログラム「IPAS」では、2021年度のIPASの参加企業となるスタートアップを募集している(締め切りは7月19日)。
内容としては、参加スタートアップの課題・支援ニーズに対応した知識やスキルを持つビジネス専門家と、知財専門家からなる「知財メンタリングチーム」を組織。知財メンタリングチームは、参加スタートアップとのおよそ5ヵ月間のメンタリングを通じて、事業戦略の診断・ブラッシュアップを行ない、事業戦略に連動した知財戦略の構築を支援する。これにより、スタートアップが知財を戦略的に活用し、競争力を失うことなく成長を加速させていくことを全面的に後押しする
スタートアップと知財に関するポータルサイト「IP BASE」では、IPASの成果事例集として「IPASを通して見えた知財メンタリングの基礎」や「知財戦略⽀援から⾒えた スタートアップがつまずく14の課題とその対応策」を公開している。
また、YouTubeにて解説動画を用意している。
以下、昨年度参加のスタートアップからのコメントが届いた。興味を持っている企業は確認してほしい。
”「技術には強い」と思っているスタートアップこそ参加すると大きな価値を感じられるはず”
知財をひとつでも保有するスタートアップは参加するとよいと思う。知財メンタリングというと技術の話ばかりな印象で、テクノロジースタートアップからすれば時間の無駄のように考えがちかもしれない。しかし、IPASのメンタリングでは、特許を出す、出さないというような表面的な話ではなく、技術的・経験的な企業の特徴に対する深掘りを通じて、「なにを売っていくべきか」という具体的な解答を得られた。
株式会社チトセロボティクス 代表取締役 社長 西田亮介氏
”自分たちだけではわからなかったことがわかるようになる”
普段外部の人と自社の技術を見てもらって意見をもらい、考える機会というのはほとんどない。その分野の知見者、弁理士、弁護士とがっつりビジネス、知財についてアイディアをもらえて意見をもらえるところが本当に良かった。こういった相談相手はなかなか見つけられない。毎日やらなければならないこともあるけど、2週間に1回、定期的に時間を取って、やらなければならないことから少し離れて冷静に長期的な目線の話をすることができた。いつかはしなければならないことが定期的に議論できたのは大きい。
株式会社Genics CEO&Founder 栄田源氏
”知財戦略を最初から構築した企業、知財戦略をブラッシュアップしたい企業に大変有効なプログラム”
特許出願の基礎知識、出願時に留意すべき要点や盲点、知財保護や契約の法務、知財をビジネスに発展させるノウハウを、専門家から幅広く学ぶことができた。現在も、IPASから得られたものを元に知財戦略を積み重ねている。
アナウト株式会社 共同創業者/取締役 熊頭勇太氏