さすがハイエンドモル
4Kゲーミング性能に問題なし
まったくゲーミングパフォーマンスチェックを行なわないのも寂しいので、「アサシン クリード ヴァルハラ」と「ウォッチドッグス レギオン」の内蔵ベンチマークを使って、4Kゲーミング時のフレームレートを見ていこう。
レイトレーシング(DXR)を使っていないにもかかわらず、猛烈に重たい「アサシン クリード ヴァルハラ」では、平均フレームレートは60fpsを記録するも、最小1%パーセンタイル点は47fpsになっている。
続いては「ウォッチドッグス レギオン」の結果を見ていこう。4K解像度、画質設定は最高の“最大”をベースに、レイトレーシング(オフ、中、高、最大)とDLSS(バランス)を有効にした状態も計測している。さすがに4K解像度では、DXR“オフ”なら余裕で60fpsオーバー。DXR“中”でギリギリだが平均フレームレート61.24fpsを記録している。
冷却性能には多少余裕はあるが
ファンのノイズが気になる
ここからは「ウォッチドッグス レギオン」を4K解像度、最高画質でプレイした際のGPUコア温度やファン回転数などを、「HWiNFO64 Pro」を使って記録している。
「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のGPUクーラーが装備するファンは、GPUコア温度が60度に達すると回転をはじめ、80度までは2450rpm以下で回転し、81~90度では3600rpmまで上昇するようになっている。
この状態で30分ほどゲームをプレイした際の、GPUコア温度(GPU Temp)や、GPU回路の中で最も熱くなっているホットスポット(GPU Hot Spot)、GDDR6Xメモリージャンクション温度(GPU Memory Junction)を、まず見てみよう。
温度推移のGPUコア温度は74度台だが、ホットスポットは94度、さらにGDDR6Xメモリージャンクション温度は82度前後になっている。MicronのGDDR6Xメモリーチップの動作温度は、95度/105度なので多少余裕はあるが、やや不安は残る。
「バイオハザード ヴィレッジ」などの、12GBに増えたVRAMを最大限活用するゲームを安定して長時間楽しみたいなら、PCケースの吸排気を整えたりバックプレートに風をあてたり、エアフローの強化を考えたほうがいいだろう。
気になるゲームプレイ中のGPUクーラーファンは55%の2100rpm台で回転し、騒音値は44.3dBA(非ゲームプレイ時36.9dBA)だった。PCケース次第だが、ケースに収めてもファンノイズが分かるレベルだ。
続いてファン回転数70%、2600rpm台の状態もチェックしてみた。すると、GPUやホットスポット、GDDR6Xメモリーの温度は、平均、最高ともに4~6度ダウン。バラック状態での騒音値は49.7dBAになるので、騒音のわりに温度低下は大きくはないが、GPUコアとメモリーの温度は70度台なので、重量級ゲームや長時間のゲームプレイ時は、ファンの回転数をアップさせるといい。
ちなみに、専用ユーティリティー「ThunderMaster」は6つのプロファイルを登録できるので、ファン回転数の切り替えは簡単だ。
Palitの最安モデルで最高に近い4Kゲーミング環境を整えよう
17万5000円というGeForce RTX 3080 Tiビデオカードの最安価格を実現するだけでなく、全国にショップがあるドスパラで買える入手性の良さがウリのPalit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」。GeForce RTX 3090に次ぐ性能を発揮しつつ、多くの他社製品と比べおおむね3万円以上安くなるので、価格を重視するなら購入の第一候補になる。
PCケース次第では回転数を上げると多少ファンノイズが気になるかもしれないが、GPUクーラーはGPUコアとビデオメモリーを問題なく冷却できているので、多くの人におすすめできる。

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