製造には、慶応義塾大学の田中 浩也教授の協力も得て、3Dプリンターを活用。リサイクルプラスチックを高精度のパーツに作り替えるという、日本の高い技術力も象徴する表彰台となった。また表彰台のうち、オリンピック・パラリンピックシンボルの部分(ファイブリングス、スリーアギトス)の素材は、建材製品を総合的に手がける企業であるLIXILの協力のもと、東日本大震災の仮設住宅で使われたアルミ建築の廃材を再利用している。
オリンピック・パラリンピック大会においては、毎回、競技内容だけでなく、表彰台や聖火リレーのトーチ、メダルといったアイテムの美術にも注目が集まる。
昨今、「持続可能な社会」の重要性を目にする機会はますます増えているが、表彰台という、期間中もひんぱんに目にするアイテムがリサイクル素材で作られていることは、私たちが持続可能性について考える、ひとつのきっかけになるのではないだろうか。また、店頭でのリサイクルに協力した人にとっては、自分の家庭から出た使用済みプラスチックが、表彰台の一部に使われていることになり、より親しみを持って表彰式を見届けられそうだ。テレビで観戦する際は、競技内容と合わせて、美しい表彰台のデザインにも注目したい。