P&Gによるリサイクルプロジェクトで製作
東京2020大会の表彰台が初お披露目
P&GグループのP&Gジャパン合同会社が、事業協力者として参画した東京2020大会の表彰台を、6月3日に開催された表彰式アイテム発表会で発表した。
発表された東京2020大会の表彰台は、同社が過去の知見を活用して使用済みプラスチック容器を消費者から回収し、再生利用をしたもの。
2019年6月より、全国のイオングループのスーパーマーケットやドラッグストア約2000店舗に専用の回収ボックスを設置して、一般消費者から衣料用洗剤「アリエール」や台所用洗剤「ジョイ」、ヘアケア製品「パンテーン」といった同社の主力製品の使用済み容器を回収した。
合わせて、全国113の学校などでも回収を進め、約9ヵ月で24.5トンもの使用済みプラスチック容器の回収に成功。別途調達した0.5トンの海洋プラスチックと合わせてリサイクルし、表彰台全98台の製作に必要な回収量をまかなった。
100%リサイクル素材の表彰台は史上初
P&Gグループは、国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドオリンピックパートナー/東京2020パラリンピックのゴールドパートナーにもなっており、「使い捨てプラスチックを再生利用した表彰台プロジェクト〜みんなの表彰台プロジェクト」に、事業協力者として参画している。
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、東京2020組織委員会)は、コーポレートシチズンシップ活動の重要な柱のひとつとして、全世界で持続可能な社会の実現に取り組んでおり、東京2020大会における持続可能性のコンセプトとして「Be better,together/より良い未来へ、ともに進もう。」というスローガンを掲げている。
同社はこのコンセプトに賛同し、今回のプロジェクトへの参画にいたったが、このプロジェクトによって、使用済みプラスチック活用の新しいモデルを国内外に発信したい狙いもあるのだという。事実、オリンピック・パラリンピック競技大会において、表彰台が100%リサイクル素材で作られるのは、史上はじめてのことだ。
プラスチックの処理や、海洋のプラスチックによる汚染が世界的に大きな課題となっている中、リサイクル素材で高品質の表彰台を作成するというプロジェクトは、今後の各種競技大会やイベントにも、影響を与えるのではないだろうか。
藍染めを想起させる美しいカラーと、幾何学模様が特徴
完成した表彰台のデザインを見てみよう。カラーは藍染めを想起させる落ち着いたブルーで、側面には、幾何学的なブロック状の凹凸が刻まれている。
このデザインは、東京2020大会のエンブレムも作成した、野老 朝雄氏によるもの。東京2020大会のエンブレムのコンセプトである「組市松紋」を立体化し、日本の伝統的デザインを幾何学的に発展させたという。現代の日本を象徴し、藍染めを想起させるカラーを組み合わせることで、日本らしい美を世界に向けて発信するデザインに仕上がっている。