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PC自作やBTO PC選びで意外と悩む!? 電源ユニット選びの基礎を解説

SilverStone製品に学ぶ、いまさら聞けない電源ユニット選びのイロハ

2021年06月04日 17時00分更新

文● 宮里圭介 編集● ジサトラユージ/ASCII

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 自作PCといえば、豊富な選択肢から納得のいく好みのパーツを選べ、自分だけの1台を組み立てられるというのがメリット。CPUやビデオカードといった花形のパーツはもちろんのこと、マザーボード、メモリー、SSDといった性能に直結するもの、PCケースやライトアップパーツといった見た目を左右するものなど、人によってこだわるポイントは大きく変わってくる。

 こういったパーツの中で、重要でありながらあまり注目されないのが電源ユニットだ。正直なところ、十分な容量さえあればPCの性能や見た目にほとんど影響しないため、価格だけで選んでしまっている人も多いのではないだろうか。しかし、この電源ユニット選びでも、チェックしておきたいポイントは沢山ある。

 本記事では電源ユニットをどう選んでいいのかわからないというPC自作の初心者や、今まで電源ユニット選びを意識してやっていなかったという人向けに、基本的な部分の解説から電源容量選びの方法まで紹介していこう。

まずは電源ユニットに貼られているラベルの内容を知ろう

 電源ユニットの性能に関わるキーワードとして出てくるのが、「電源容量」と「80 PLUS」の2つ。まずは知っているようで意外と知らないこの2つのキーワードを理解しておこう。

●「電源容量」
 電源容量は、その電源ユニットがどのくらいの電力を出力できるのか、というのを表す数値のこと。単位は「W(ワット)」。

 電源ユニットはコンセントの交流100V(AC入力)から、PCで使用する直流電圧(DC出力)へと変換する重要な役割をもっている。この変換後に取り出せる最大電力が、電源ユニットの容量だ。足りないと消費電力の高いパーツ……高性能なCPUやビデオカードを動かせなくなるため、適切な容量を選ぶ必要がある。

 注意したいのが、PCでは-12V、+3.3V、+5V、+12Vという4種類の電圧が使われており、それぞれに出力上限があることだ。どのくらいの電力が出力できるのかは電源ユニットのラベルに書かれているので、550Wの出力をもつSilverStoneの「SST-ET550-HG-Rev」を例に見てみよう。

電源ユニットに貼られている出力ラベル。このように、入力から出力、電力までがまとめて記載されている

 出力について書かれているのは「DC OUTPUT」のところで、各電圧で流せる電流量の最大値が記載されている。ちなみに、「+5Vsb」というのはシャットダウン時でも出力が継続される待機電力用のもの。ネットワーク経由でPCの電源をオンにするWake On LAN(WoL)や、USBポートへの電力供給などで利用される。

 その下の「MAX. POWER」というのが電力量。電力は電圧×電流となるため、単純に計算すると+3.3Vが66W、+5Vが100Wとなるはずなのだが、ラベルを見ると、その中間に「110W」と書かれているだけだ。それ以外の電圧は個別に書かれているのに、どうして+3.3Vと+5Vだけは違うのだろうか。

 この理由は単純で、「+3.3Vと+5Vの合計で110W」となっているため。この2つの電圧は変換元が同じため、その変換元の上限となる110Wまでという制限になっているわけだ。

 一番下に書かれている「550W」と書かれている部分も同じ理由で、各電圧の電力合計値よりも小さくなっているが、これが最大出力になる。

 CPUやビデオカードへの供給電力の大部分は+12Vが担っており、最も重要なものといえる。SilverStoneの「SST-ET550-HG-Rev」は、550Wのうち540Wまでを+12Vで出力できるようになっているため、急激な負荷にも耐性がある使いやすい作りになっているといえる。

 参考までに、同じシリーズの650W、750Wのラベルも紹介しておこう。ちなみに、初心者だと勘違いしやすいのだが、各ユニットの電源容量はあくまで出力できる最大電力量であって、常にこの電力を消費しているわけではない。550Wと750Wなら750Wのほうが消費電力は大きいというように思っている人もいるかもしれないが、消費電力に関係するのはどちらかというと後述する変換効率になる。

550Wとの違いは、+12Vの出力電流が45Aから53Aへと引き上げられているところ。この変更からも、+12Vが重視されているというのがわかる

750Wになると、+12Vが62Aと更に引き上げられているだけでなく、+3.3Vと+5Vもそれぞれ22Aへと引き上げられていた

●「80 PLUS」認証
 「80 PLUS」認証は、20%、50%、100%の負荷をかけた場合、どのくらいの変換効率で出力できるかをランク付けしたもの。ランクが高い電源ほど変換効率が良く、無駄な発熱や消費電力を抑えられるというメリットがある。

 ランクによって満たす効率の条件値が異なり、最も下の「80 PLUS Standard」は負荷によらず80%以上となっているが、最上位の「80 PLUS Titanium」では20%負荷で92%以上、50%負荷で94%以上、100%負荷で90%以上という高いレベルが求められる。また、このTitaniumだけは、10%負荷で90%以上という条件も追加されている。

電源ユニット本体はもちろんのこと、パッケージにもしっかりと「80 PLUS」のロゴマークが。「SST-ET550-HG-Rev」は「80 PLUS Gold」認証を受けた電源だ

80 PLUSのランクと変換効率一覧。負荷によって効率の条件は変わるが、どれも50%負荷時の効率が最大となっている

 電力の変換効率はPCの性能には影響しないが、消費電力には大きく影響する。

 例えば300Wの電力を消費するPCがあると仮定しよう。変換効率が100%の電源であれば、このPCを動かすのに必要な電力は300Wとなるが、変換効率が90%であれば333W、80%であれば360Wも必要となる計算だ。

 この余計に使われる電力はどこにいくかといえば、そのほとんどが電源ユニットで熱として放出される。無駄となるだけでなく、PCケース内の温度を上げてしまう原因ともなりかねないだけに、変換効率は高い方が望ましい。

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