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石川温のPCスマホニュース解説 第110回

楽天モバイルがiPhoneの取り扱いを開始。総務省は割引規制を見直してはどうか

2021年05月06日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●楽天モバイルの優位性は薄れた

 楽天モバイルにいま求められているのは早期に契約者数を増やし、経営を安定させることだ。かつて三木谷浩史CEOは楽天モバイルの損益分岐点を700万契約としていたが、それはすべてのユーザーから、以前の料金プランで設定されていた3278円を徴収できた場合の計算となる。

 現在の新しい料金プランでは月間1GB未満の利用なら通信料収入はゼロ円となる。仮に700万人を集めても、すべてのユーザーが1GB未満なら収入はゼロ円なわけで、楽天モバイルとしては早期に700万を超えるユーザーを集めつつ、できるだけデータ通信を使ってもらい、3278円に張り付いてもらうことが急務となるのだ。

 NTTドコモがahamo、KDDIがpovo、ソフトバンクがLINEMOなど、各社が3000円程度のオンライン専用プランを出したことで、楽天モバイルの優位性が薄れてしまった。このままでは、単に料金プランの比較だけでは差が無く、ユーザーの流動性が上がるとは思えない。

 今後、市場を活性化させ、さらに市場の流動性を上げるのは、総務省が作ったルールの中で、競争を阻害する要因を撤廃していくのが望ましいのでは無いか。

 すでに安価な料金プランが出そろい、日本の通信料金は世界的に見ても安い部類に入っていた。すでに菅義偉総理大臣の要望はかなえた状態だ。

 これからさらに市場を活性化させるには、端末の割引規制を見直し、楽天モバイルが有利な立場にできる一方で、5Gスマホの普及を加速させる方向に舵を切るべきではないだろうか。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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