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大変革期に振り返るMacのCPUとOSの歴史 第2回

【Macに搭載されたOSの変遷】ソフトウェアプレーヤーから本格OSに向けての歩み

2021年05月04日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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System 1.0のFinder画面

OSというよりアプリプレーヤーの初期「System」

 まずは、最初期のMacの起動直後のデスクトップ画面を見てみよう。初期のMacは、画面の解像度が512×342ピクセル(=ドット)しかなく、各ピクセルがオン/オフ(白/黒)しかないモノクロなので、現在のMacの画面と比べると、かなりスケール感が異なるもののように見えるかもしれない。

 しかし同時にそこから受ける印象、あるいは雰囲気は、現在とさほど大きくは違わないのではないかとも思われる。特にアイコンの意匠やウィンドウのデザインなど、それほど違和感を覚えることはないだろう。メニューバーの左端に近い部分には、今と同様のアップルメニューも配置されている。

 ここに見えているのは、現在のmacOSで「デスクトップ」というものを実現しているのと同じ、Finderの画面だ。現在のMacでは、何かアプリケーションを起動しても、Finderが見えなくなってしまうということはない。デスクトップに置いたアイコンは表示されたままだし、Dockも隠さない限り常に表示されている。

 しかし、当時のMacでは何かアプリを起動すると、ウィンドウの背景としてのデスクトップも含めて、すべてそのアプリの画面に切り替わってしまう。上のデスクトップに表示されている、ディスクのアイコンやゴミ箱も消える。それらはFinderが表示していたものだからだ。これは単にアプリが全画面で動作するという意味ではない。Finder自体がメモリから追い出され、起動したアプリだけが動作している状態になってしまう。Finderも1つのアプリに過ぎないのだ。

 このあたりの話を始めると長くなるので、それはまた別の回に先送りしよう。ここでは、とにかく初期のMacのOSが、この上もなくシンプルなものであり、ちょうどレトロなゲーム機のようなものだったことを知っていただければ十分だろう。つまりゲーム機が、差し込んだカートリッジのゲームマシンになりきって、そのゲームだけをプレイできるのと同様に、Macはフロッピーで供給したアプリを動作させるだけのアプリプレーヤー的なものだったのだ。それでいて、画面の雰囲気や操作性については、今のmacOSにも通じるものを持っていたことは、やはりMacならではの特徴だった。

 さらにもう1つ先送りしたいのは、Mac OSの日本語化の話だ。純正の日本語表示/入力機能は、早くも1986年に「漢字Talk」という不思議な名前で登場した。基本のシステムは、英語版で言えばSystem 3.0に相当する。このあたりについても、そこにいたるまでの経緯や、その後の発展も含めて、1つのテーマとして改めて取り上げたい。

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