契約から1年無料という特典付きで、昨年4月にスタートした楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」。開始直後に契約した人は先月末、それ以降の人も無料期間が順次終了する。タダではなくなっても、1GBまでなら0円や通話かけ放題などのメリットはあり、すぐに解約してしまうのはもったいない。そこで今後もオトクかつ便利に使う方法を考えた。
現時点では有料化以上にエリアの問題が大きい
スタートから1年、楽天モバイルを取り巻く状況が変わっている。初期に申し込んだユーザーから1回線目の無料期間が終了し、通信量が1GBを超えた場合に月1078~3278円の課金が始まる。
その一方で自前で構築した楽天回線エリアが今現在も日に日に拡大している。繁華街の屋外では使える場所が非常に多くなったほか、住宅地も徐々に充実しており、自宅でも楽天回線エリアという声もよく聞く。
このことにより、Rakuten UN-LIMITのプラン名どおりに、データ通信量が無制限というサービスを堪能できる機会は増えている。
一方で、auネットワークへのローミング接続が終了したエリアも拡大している。当初は楽天回線エリア以外ではauネットワークにローミングする「パートナー回線エリア」がさまざまな場所をカバーしており、パートナー回線での上限である月5GBまでは便利に使えていた。しかし、楽天のエリアが充実した場所から、両社の協議によってローミング接続が終了しており、エリアの広がりが不十分な地域では圏外となることが多発している。
いくら楽天のエリアが拡大したからといっても、先行する3大キャリアのレベルに追いつくのは短期間では無理で、建物の影など細かなところでエリアの穴が出るほか、ビルの奥では圏外になりやすく、せっかくのアンリミットな回線が十分に活用できない。データ通信が使えないだけならまだマシで、圏外だと緊急の電話連絡もできない。これでは困ってしまう。
ネットに繋がってさえいれば無料通話ができるRakuten Link
それならドコモネットワークと組み合わせれば最強では?
実際問題として、圏外が多いというのは困った話で、この点だけでも「使えない」という判断はありえる。ただ、そこは使い方がある。
というのも、楽天モバイルの音声通話(SMSも)は基本的にRakuten Linkアプリを使うことになるが、Rakuten LinkではスマートフォンがWi-Fiでも他回線でもインターネットに繋がってさえいれば発着信が可能だからだ。
なんらかの方法でインターネットに繋がっていれば電話の発着信ができるとなれば、考えることは1つだろう。2枚のSIMが使えるDSDV対応のスマートフォンを使っているなら、もう1枚、適当なSIMを用意すればいい。また、比較的新しいiPhone(XS/XR以降)やグーグルのPixel(4以降)ではeSIMでもう1回線追加できる。
たとえば、4月に新たに開始されたIIJmio「ギガプラン」では、eSIMのサービスを拡充。通信量が月2GBなら440円、8GBでも1100円とかなり安くなっている。これならiPhoneに入れる2つめのSIMとして適している。ギガプランのeSIM向けサービスはドコモネットワークを利用するため、圏外になりにくい。
eSIMが利用できるサービスとしては、ほかにはソフトバンク「LINEMO」、au「povo」があるが、この2つは通信量が20GBで月2728円から。ソフトバンク/auの通常のプランと同等の実効速度が期待できるものの、それならば最初からLINEMO/povoをメイン回線として契約したほうが早そうだ(かけ放題のオプションも用意されている)。
一方で、Rakuten Linkアプリの通話には音質面で弱点がある。スマートフォン同士の通話ではVoLTEが一般的になっており、非常にクリアな音質での通話に慣れてしまっている人もいるかもしれない。ところがRakuten Linkの場合、VoLTEほどの音質ではないのが残念だ。
IIJmioのeSIMとの組み合わせなら、
ドコモの広いエリアで利用可能で電話もかけ放題
前述のIIJmioのギガプランとRakuten UN-LIMITを組み合わせた場合、IIJmio側を4GBとすると月660円。Rakuten UN-LIMITを月1GBまでしか使わなければ0円なので、合計で5GBまでで月660円となり、国内通話はかけ放題。それでいてドコモの広いエリアで使えるスマートフォンのできあがりとなる。
楽天のエリアにいる機会が多いのであれば、Rakuten UN-LIMITの方が混雑時間帯も安定した速度で使うことができるので、Rakuten UN-LIMITをメインにして、予備としてIIJmioを2GBで契約。Rakuten UN-LIMITの0~3278円にIIJmioの440円をプラスするという使い方が、快適かつ実用的だろう。
この使い方でもiPhoneであれば、2回線を自動切り替えする設定が可能なので、主利用を楽天側にしておけばRakuten UN-LIMITの最大の弱点であるエリアが狭いという点を補い、使い放題の通話やデータ通信を存分に活用できそうだ。
なお、Rakuten UN-LIMITもeSIMに対応しているため、Rakuten UN-LIMITをeSIM、物理SIM側にIIJmioも可能だが、その場合はIIJmioの月額料金が高くなるほか、IIJmioの方にAPN設定のための構成プロファイルの読み込みが必要で設定が複雑になる。
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