α1を手にしたわたしは、撮影が困難な暴れ回る子猫と対決すべく、保護猫シェルターqueueへ突撃したのであった。α1はソニーのαシリーズのフラッグシップ機。超高速なリアルタイム猫瞳AFと超高速連写を持ってるので、縦横無尽で傍若無人な遊び回る子猫とも戦えるんじゃないかと思ったのである。
ちょうど、元気な子猫三兄弟がいたはずだと乗り込むと、母猫と一緒に段ボールの上に折り重なってこのありさまなのだった。母猫と一緒に保護されてるのである。里親さん、ぜひ。
寝てるのならしょうがない。今回はせっかくのα1だけどまったり猫写真にするかと思いきや、最近保護され、ワクチン接種などが完了して猫フィールドへの参加を許された子猫がかけまわってたのだ。
定期的にこういうところへ通ってると、保護される子猫のサイクルがこんなに早いとは、と驚かされる。で、その新参子猫たちは全部で3匹。まずは子猫プロレスに興じていた2匹から撮影だ。
キジトラが上からとびかかろうと斜めになった背もたれに登ったのである。でもするすると滑る素材なので踏ん張れない。そこでずるずると降りて来ちゃったのである。
困った子猫キジトラはその場でジャンピングボディープレスに。このシーンは笑いながらシャッター切ってた。あ、ずるずる滑ってきたどうするどうする、ピョンって感じ。
こんな風に暴れられると瞳AFどころの騒ぎじゃない。ちなみに、キジトラの狙いは下にいるミケのしっぽなのだった。
しっぽが気になってしょうがなかったようなのである。3匹目はチャトラと白でチャシロなんだが、めちゃ人なつこい。カメラを向けるとこっちへとことこと歩いてくるのである。見たことない黒い物体が気になってレンズに寄ってきたのだ。
それを連写したのだけど、完璧に瞳にフォーカスを合わせ続けてくれたのはさすがだ。
次のプロレスの舞台は猫ちぐら。子猫たちがよく中に入って遊んでるのだけど、チャシロがそこにちょっかいをだしはじめたのだ。
そして入口でバトル開始。
こうなると猫瞳AFとか関係なさげなんだけど、一度瞳をつかまえると明後日の方向を向いてもできるだけその被写体を追いかけてくれるので助かるのだ。
結局誰かが入ると誰かがちょっかいを出すというちぐら争いは泥沼化し、最後はチャシロが入ったのだけど、落ち着かないので出てきちゃって集結。取り残されたミケはまだ遊び足りず、ちぐらの上からぴょんと飛んで、チャシロを追いかけたのだった(冒頭写真)。
いやあ疲れたけど面白かった。にしても、α1はヤバいわ。食いつきのよいAFに容赦ない連写。一番足りないのは撮る人間の腕というありがちな結論なのでありました。
カメラはもう返却してしまったので手元にないけれども、もし合ったら毎日のように撮影にいっちゃってたかもしれなくてヤバかった。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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