実験その3. 水と砂でマップピンは浮かび上がるのか?
【実験の手順】
実験その2で使用した珪砂とマップピンの入ったペットボトルに、水をそそぎます。空気が入らないように水を満杯まで入れて、ペットボトルのフタをします。
※水が濁る場合は、珪砂を何度か水ですすいでから、水を満杯まで入れてフタをしてください。
※すすぐ際は、マップピンが手などに刺さったりしないように十分気を付けてください。
続いて、ペットボトルを上下ひっくり返し、珪砂がすべて下に落ちるまで手で持ちます。
珪砂がすべて下に落ちたら、すばやくペットボトルをひっくり返します。そして、再び珪砂がすべて下に落ちるまで、少しの衝撃も与えないようにして待ちます。再び珪砂がすべて下に落ちたら、マップピンが珪砂の中に埋まって見えないことを確認します。
最後にペットボトルの下の方を指で軽くはじくだけで、複数個のマップピンがほとんど同時に浮かび上がりました。ペットボトルを少し移動させた振動でも、マップピンが浮かび上がってきました。
すばやくペットボトルをひっくり返すところに戻れば何度も同じ実験ができます。繰り返し色々な条件で実験し、マップピンの様子を観察してみてください。実験その1、実験その2との、マップピンの様子の違いが良く分かると思います。
何が起きたのか?
ペットボトルに振動を与えることで砂と水が一体となり、液体のように振る舞うようになります※3。これが液状化です。液状化が起こると、水よりも比重の大きい液体となるため、水に浮かないもの(この場合、水よりも比重が大きかったマップピン)も浮かび上がってくるのです※2。本実験を機に、液状化が起こりやすい場所を調べることなどに繋げると、防災について触れるきっかけになるのではないかと思います。
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