モトローラ・モビリティの「razr 5G」は、大画面のディスプレーを直接折りたたんでコンパクトにできる、フォルダブルタイプの5G対応スマートフォン。折りたたんだ状態でも背面の「クイックビューディスプレイ」を使って必要な情報をすぐチェックできるなど、独自性が非常に強いスマートフォンに仕上がっているrazr 5Gの中身を、実際に触れて確認してみよう。
大画面をコンパクトにできる
シンプルさ重視の設計
まずは外観だが、開いた状態では21:9比率の6.2型ディスプレーを搭載しており、サイズは開いた状態で約72.6×169.2×7.9mm、重量は約192gとなる。
やや小さめだが6.1型で、21:9比率のディスプレーを搭載した「Xperia 5 II」のスペックを見ると、サイズが約68×約158×約8.0㎜、約163gとなっている。razr 5Gは本体下部にかなり厚みがあるとはいえ、開いた状態では一般的なスマートフォンと大きな差はない印象だ。
そして最大の特徴となるのは、やはりディスプレーごと本体を折りたたんでコンパクトにできること。モトローラのかつての人気機種「RAZR」シリーズをイメージしたデザインとなっており、国内の折りたたみ携帯電話、あるいはモトローラの1G、2G時代の携帯電話になじんでいた人にも懐かしさがあるかもしれない。ちなみに閉じた状態では約72.6×91.7×16mmと、手のひらに乗るくらいのコンパクトさだ。
同じく縦に折りたたんでコンパクトにできるスタイルのスマートフォンといえば、日本ではKDDIのauブランドから販売されている、サムスン電子製の「Galaxy Z Flip」シリーズが既に存在する。だがrazr 5GはGalaxy Z Flipと比べた場合、コンセプトの違いなどもあってかヒンジ部分に決定的な違いがある。
それは本体を開いた際の角度調節ができないこと。Galaxy Z Flipは開いた時の角度が調節できるヒンジを搭載しており、それを活かしてアプリの画面を半分に分割し、別々の機能が利用できる「フレックスモード」が用意されている。だがrazr 5Gはあくまで、大画面を折りたたんでコンパクトに利用することを重視した設計となっているため、ヒンジを途中で止めることができないのだ。
それゆえヒンジを生かした機能などはなく、「開く」「閉じる」のいずれかの状態にしかできないのはやや惜しいところでもある。ただ構造の違いもあってか、サムスン電子製の折りたたみスマートフォンと比べた場合、ヒンジ部分にあるディスプレーの“筋”が目立ちにくくなっているのはメリットといえるかもしれない。
背面ディスプレーは汎用性が非常に高い
一方でrazr 5Gが重視しているのが、背面ディスプレーである。Galaxy Z Flipの背面ディスプレーは約1.05型と狭く、時間や通知を確認するなど用途はかなり限定されていたが、razr 5Gは閉じた状態でも4:3比率で2.7型のタッチ操作可能な「クイックビューディスプレイ」が搭載されているのだ。
クイックビューディスプレイでは時間を確認したり、通知をチェックそたりできるのはもちろんだが、ほかにも非常に多くの機能を利用できる。電話をかけたり、メッセージに返信したりすることも可能で、フリック入力に対応した日本語キーボードの利用が可能だ。
またショートカットを追加すれば、razr 5Gにインストールしたアプリを直接動かすこともできる。タッチ操作もできるため、画面は狭いが通常のアプリとまったく同じ感覚で操作することが可能だし、広い画面で操作したいと思った時は、本体を開けば同じアプリをそのまま大画面で利用することも可能だ。
では、どの程度のアプリが動作するのだろうか。実際に試してみたところ、画面サイズに表示を最適化するアプリであれば大抵は問題なく動作するようで、音楽を聴くだけでなく動画を再生することもできる。ただ狭い画面や横長の画面を考慮していない設計のアプリ、たとえば画面の上部がスクロールせず固定しているアプリなどは、利用に支障が出やすい傾向にあるようだ。
ゲームアプリもいくつか試してみたが、こちらも快適かどうかはともかく、実際に動作してプレイすることは可能だった。ただ本体を開いた時にうまく画面サイズが変わらないことが多く、表示が崩れてしまうことが多かった。アプリが動作し色々な使い方ができるとはいえ、あくまでサブ用途でのディスプレイであることは覚えておきたい。
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