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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第41回

松屋のメニューで780円と考えると……:

松屋「オマール海老ソースのクリームカレー」は“おいしい”けれど“惜しい”

2021年03月31日 17時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「オマール海老ソースのクリームカレー」
松屋
3月30日発売
780円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/210330.html

松屋でエビエビパニック

 エビについてみなさんはどのような印象があるでしょうか? アスキー編集部の盛田さん(アスキーキッズなどを担当。2児の父)は「えびボクサー」(映画)を挙げていました。シリアスでいい話なんだそうです。そのうち見ます(見ないパターン)。

 ちなみにエビはアレルギー指定のために製造ラインを他と分けなくてはならず、容易にはエビの菓子を作れない、という話を聞いたことがあります。エビが入っている煎餅などを見ると、そのことを思い出しますね。

 さて、松屋は3月30日から新メニュー「オマール海老ソースのクリームカレー」を発売しています。みそ汁付き、780円。生野菜セットは880円。

 松屋で好評のカレーシリーズの新メニュー。カレーソースにはオマール海老の旨味エキスをふんだんに使用して濃厚なクリームソースに仕上げ、ぷりぷりのエビがゴロゴロと入っている海老好きにはたまらない一皿だとか。

 松屋フーズのカレー専門店マイカリー食堂で好評の「オマール海老ソースのクリームカレー」に対し、「松屋でもやって欲しい!」とTwitterでも1000を超える「いいね」をもらったことから松屋流にアレンジした新メニューなんだとか。

 なお、具材のエビはオマール海老ではないのでご注意ください。広報画像には「海老がごろごろ入ってオマール海老ソースの旨味も味わえる」とあります。これは「海老がごろごろ入って、オマール海老ソースの旨味も味わえる」というふうに切って読みましょう。「オマール海老がごろごろ入って」とは書いていないわけです。

 新発売を記念して、オマール海老のクリームカレーは4月13日10時までライス大盛への変更が無料。持ち帰りも可能です(みそ汁は別売)。

カレーのようでもあり、ビスクのようでもあり
ボリュームがもうすこし多ければ……

松屋のカレー、という外見をしております

 クリームカレーというだけあって、ブラウンというよりはイエローという色味です。かといって、タイカレーのようなエスニックな香りではなく、ビスクのようなスープを思わせる雰囲気になっています。

カレーにも見えるし、ビスクにも見える。写真では伝わりませんが、香りもそんな感じです

 気になる味ですが、まろやか、という印象。最初にエビの香りがふわっときて、クリームのコクが広がります。思ったより辛くない。しかし、後味にはスパイス感と辛味が現れ、少し舌に残るような感じ。びっくりするほど複雑……というわけではありませんが、単調でもありません。

 オマール海老のエキスは確かに感じられます。しっかり旨味がある、というか。そういう点も含めて、いわゆる“カレーライス”のカレーらしくはないかもしれない。

くどいようですが、このエビはオマール海老ではないので注意

 具材のエビですが、オマール海老ではないのは、まあそりゃそうかという感じ。ただ、ぷりぷりした食感とはいえ、しっかり煮込まれていないというか、いかにも「あとからヒョイッと入れました」感が否めないのはやや残念。

 このエビに関してはどうも惜しいというか、もう一つ、何かがあってもよい気がします(タマネギもちょっと入ってはいるのですが)。たとえば、肉が入っていたらどうでしょう。エビと一緒に入れろ、というわけではなくて、他の具材でもおもしろいかな、みたいな。

 まあ、ソースの基本がオマール海老なので、具材にエビを入れるのは自然な成り行きといえます。一工夫してほしいなあ……と思いつつも、ソースとの相性は悪いはずがありません。

タイカレーにも見えるビジュアルですね

 クリームのコクも含め、カレーというよりは味の濃いスープのようにも思えますが、後味のスパイス感と味自体の濃さでごはんとの相性はよいです。強いていうなら、もうちょっとカレー自体の量が多いとうれしいかなあ。意外と少ないな、という印象がありました。

ごはんとの相性はよかったです

 これまでの松屋のカレー路線からは、あまり感じられなかった味わいになっています。どちらかというと2020年に販売されていた「チキンフリカッセ定食」に近いテイストかもしれない。味、香り、総じて欧風なのですね。

みそ汁との相性は深く考えないことにしましょう

 780円でエビを使ったカレー、それが全国展開しているチェーンですぐに食べられる、というのは大きなメリットであり、ありがたいポイントです。一方で、「松屋のメニューで780円」と考えると、もうちょっとお腹いっぱいになりたいかなあ、と考える人もいるでしょう。

 よくできてはいるものの、価格も含め、もう少し何かがほしい、と感じてしまう部分もあります。「うわ〜、めちゃくちゃおいしい」「お〜、こんなにボリュームがあるのか」みたいなサプライズがほしかったかなあと。最近の松屋の期間限定メニューって、個人的には、ちょっと高いなあという印象があるのですが、このカレーもそんな感じじゃないかなあ……。

 そうはいっても、マイカリー食堂だと1000円で提供されていたメニューなので、松屋向けの価格設定にしたのかもしれません。もっとも、マイカリー食堂では具材がエビ、イカ、ホタテだったので、価格を下げるために具材が減ったのはトレードオフといったところでしょうか。

 具材がもっと多かったら、あるいは別のものが入っていたら。あるいは600円台前半だったら……。他のチェーン店にはなさそうな味わいだけに、惜しい気がします。とはいっても、しっかりしたクオリティーの「エビカレー」を期間限定とはいえきっちり仕上げて出してくるあたりは、さすが松屋だなあ、と思いました。

おいしい、けれど、惜しい……それはぜいたくな意見なのでしょうか? みなさんも松屋でお確かめください


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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