このページの本文へ

頻発するリチウムイオン電池の事故の原因を特定

OKI、リチウムイオン電池の発火の原因を解析するサービス

2021年03月01日 17時40分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

リチウムイオン電池の焼損事故時に原因を特定

 OKIエンジニアリングは3月1日、モバイル機器やウエアラブル端末などに搭載されるリチウムイオン電池の焼損事故時に原因を特定する解析サービスを3月2日より開始すると発表した。

 本サービスの追加により、2020年より提供している「二次電池搭載機器向け信頼性試験・評価ワンストップ受託サービス」のラインアップを強化し、ワンストップ受託サービス全体で、年間3億円の売り上げを目指す。

 近年、バッテリーを搭載する機器の増加にともない、リチウムイオン電池の発火・発煙・発熱の事故が多発しており、電池メーカーやリチウムイオン電池搭載機器を扱う企業には、製品事故時の迅速な調査・解析・対策が求められている。

 しかし、このような事故製品は焼損により事故の痕跡が残りづらく、事故原因が電池単体によるものなのか、あるいは実装基板やユーザーの使用環境によるものなのかといった特定が困難という。事故発生時、企業は多くの場合、エンドユーザーや「製品評価技術基盤機構(NITE)」に対する調査報告書の提出を求められるが、「原因不明」とせざるを得ないケースも多く発生しているという。

 今回提供を開始するリチウムイオン電池の焼損事故解析サービスでは、こうした課題に対応するため、同社がこれまで実施してきたリチウムイオン電池の非破壊検査の知見をもとに、X線CT検査を実施して焼損品の内部構造を把握した上で、爆発を考慮した低酸素状態で分解し、事故原因を特定する。

 事故製品と同じ環境で使用されていた製品や同じロットの製品に対し、充放電試験器を用いた充放電サイクルやスタンバイ状態保持などの耐久性評価や、低周波での内部抵抗測定による劣化状態の調査を行ない、事故製品が経年劣化を起こしていたのか、もともと不良品だったのかなどを確認することが可能。これらの解析結果を確実な安全対策につなげるとともに、同社が客観的な解析データを用いて作成する調査報告書をエンドユーザーやNITEに提出できる。

 なお、同社は3月3日~5日に東京ビッグサイトにて開催する「第12回[国際]二次電池展」に出展し、本サービスについて紹介する。

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ