ゼンハイザーでのエンジニアリングとDemantの聴覚ヘルスケア事業のノウハウを受け継ぎ、新たな技術も搭載
ゲームの音は耳だけでなく脳も重要、長年の研究を集結した究極のEPOSゲーミングオーディオについて語るオンラインイベント開催
EPOSは1月27日、同社初となるオンラインイベント「"The Power of Audio in Gaming” ~ゲームにおける パワー・オブ・オーディオ~」を開催した。
本イベントでは、主にEPOSがゲーミングオーディオに対してどのようなアプローチでよりよい製品をは開発しているか、開発された製品にはどんな魅力があるのかについての紹介加えて、ゲストスピーカーを迎え、ゲームと音の関係についてのセッションも実施した。
EPOSはもともと、DemantとSennheiser Electronicsによる合弁会社「Sennheiser Communications」によって15年以上にわたり開発されてきたという歴史があり、2020年に新たにゲーミングオーディオブランドEPOSとしての事業がスタートした。EPOSは、ゼンハイザーのエンジニアリングやDemantの聴覚ヘルスケア事業のノウハウを受け継ぎ、新たにEPOS独自の技術も踏襲することで、期待を超えるオーディオの提供を実現させていくという。
EPOSは、ゲームの音は耳だけでなく脳も重要だと説明する。それは、銃声や足音といった情報がどこから出ているのかという音源定位は、耳から入った音が電気信号に変換され、脳が判断しているからだ。ゲーマーの脳は、音源定位がしっかりしていれば、より必要な情報をフォーカスしやすくなるのだという。
そこでEPOSは、どうやったら脳の聴覚に関する知識を、ゲーミングヘッドセットに反映できるかに焦点を当てて製品を手掛けてきた。正確な音源定位には、完璧に近い本物の音を提供する必要があり、その成功の秘訣は正しいスピーカーユニットを選ぶこととのこと。なお、同社の研究からスピーカーの数を増やすより、よりよいスピーカーを備えたほうがいいということがわかり、複数のスピーカーは採用していないとのことだ。
また、音の音源定位に加えて重要なのがチームメイトとのコミュニケーション。EPOSのゲーミングヘッドセットには2種類のマイクが採用されており、どちらも完璧なゲーミングソリューションを提供可能としているが、重要なのは音の特性、性能基準が各ヘッドセットで明確であるということだと説明。マイクのノイズフロア、ブームフロアの長さ、ノイズリダクション機能など色々な要素があるが、マイクを上手く選べばよりよいコミュニケーションと音源定位が実現できるという。
さらに、EPOSは装着性にもこだわっており、音が漏れない完璧なフィット感と、長時間装着できる快適性を重視している。人の耳のサイズや形は千差万別なため、設計は困難を極めるとのこと。しかし、EPOSには長年の研究による数十万の耳型へのアクセスと、Demantの聴覚ヘルスケア事業で培ってきたデータベースがある。これにより、ヘッドセット型でもイヤフォン型でも痛くならない快適な装着性を実現する設計が可能になっているわけだ。
とくに密閉型のヘッドセットにおいては、密閉性を担保しながらも装着性も重視しており、イヤーカップが耳に触れない設計になっている。頭にかかる圧力も、強すぎず、音が漏れないよう緩すぎずと、バランスの取れた設計になっている。加えて、ワイヤレスモデルでは、新しいチップセットとバッテリーを採用することで、ローレイテンシーとバッテリーの持続性も向上している。
そのほか、ノイズキャンセリング機能にも注力。雑音をシャットアウトすることで、脳が効率よく音源定位できるように手掛けているとのこと。加えて、より最高の精度の音を手掛けるため、アンプやサウンドカード、PC上のアルゴリズムも独自に開発している。
最後に、2021年にEPOSが展開予定の新製品となるコンデンサーマイクとワイヤレスヘッドセットもお披露目された。ワイヤレスヘッドセットは、従来機種の良さを引き継ぎつつ、PCからコンソール、モバイルなどプラットフォームをシームレスに移行できるなど新たな技術も加わっているという。残念ながら写真の掲載はNGとのことだったが、コンデンサーマイクはシルバーを基調としたシンプルながら高級感と未来感のあるデザインで、ヘッドセットは「GSP 602」のようなシックな紺色を基調とした、カッコいい筐体だった。こちらは、情報が到着次第、あらためて紹介する。
EPOSはの優れたゲーミングオーディオは、脳がどう機能するか、耳に合わせた人それぞれの快適さは何なのかを研究し、考えてきた知識の結集だと同社は語る。今後はどのような形でゲーミングオーディオにアプローチしていくのか、同社の動向が気になるところだ。
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