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“昔ながらの油そば” このジャンクな味わいこそ原点! ぶぶか(東京・吉祥寺)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第43回

2021年01月25日 12時00分更新

文● ZATSU 編集● ラーメンWalker

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 今回のオスス麺は、吉祥寺駅北口から徒歩3分程度の所にある「油そば」で有名な「ぶぶか」。

 多摩地区のご当地麺「武蔵野油そば」。

 発祥は、国立の「三幸」とも武蔵境の「珍珍亭」とも言われていて、多摩地区に広めたパイオニアが「宝華」、そして全国的に広めたのがこの「ぶぶか」であると言っても過言では無いと思います。

1995年3月創業、吉祥寺駅南口にあった旧本店(現在は閉店)

 この「ぶぶか」ですが、元々は明星食品の社員の方が作り出したお店。油そばが有名ですが、最初は背脂チャッチャ系のこってりラーメンを屋台で提供する形でスタートし、試行錯誤の末に味を確立。1995年3月24日に吉祥寺駅南口近くでオープンさせました。

 “資本系”と言ってしまえばそれまでですが、企業色を出さない店作りや独学で一からラーメン作りをするのは個人店と何ら変わりは無く、「珍珍亭」の味に惚れ込んだ店主が油そばを研究し「ぶぶかの油そば」を開発。オープンから数ヶ月経った後で遂に「油そば」が登場しました。

「ぶぶか 国立店」(現在は閉店)

 吉祥寺の小さなお店からスタートしましたが話題が話題を呼び、高田馬場や国立駅前にも支店を出すなど、最盛期は8店舗も展開するチェーン店となりました。

吉祥寺駅北口から徒歩3分「ぶぶか 吉祥寺北口店」

 2012年には吉祥寺南口の本店が区画整理の為に閉店を余儀なくされ、移転という形で北口に新店舗を作り、南口の閉店を待たず2012年8月1日に吉祥寺北口店をオープン。

 母体は「明星食品」から日清食品グループの「味の民芸フードサービス」に、2018年からは「サガミホールディングス」にと経営自体は変わっていますが、その味わいやスタイルは今も変わらずに吉祥寺に残っています。

 一時期の勢いは無くなり、2015年からは吉祥寺北口の1店舗のみとなっていましたが、2018年に「新宿紀伊国屋店」をオープンさせ、同年の10月に行われた「大つけ麺博」では初代店主が出店するなど、ここに来てまた盛り上がりを見せ始めてきました。

 私個人としても初めて油そばを食べた時は凄く衝撃的で、以後何度も吉祥寺の行列に並んで食べた思い入れのあるお店で、個人店とか資本系とか抜きに、後世に残したいと思うお店です。

こってり濃厚な王道の味「黒丸油そば」

 いまや「ぶぶか」の代名詞と言える「油そば」。

 現在は、こってりの「黒丸油そば」とあっさりの「白丸油そば」が用意されています。「黒丸油そば」は、20年以上変わらないという7種類のブレンドオイルを使用した濃厚な醤油味をベースにしたもので、ネットリとした粘度の高さがあり、コクと旨味がたっぷりな濃いめの味わいにモチモチとコシの強い太麺を合わせたジャンクな味わいが特徴的。

濃厚さ倍増!マヨトッピングの「マヨネーズ油そば」

 「油マヨネーズそば」にすれば、たっぷりのマヨネーズがついてきて、これを麺に絡めて食べると「カロリー摂り過ぎ!」って感じるくらい濃厚で、よりジャンクな味を楽しめます。

 対して「白丸油そば」はタレが多めであっさりめな味に仕上げ、トッピングもカイワレやもやしを合わせるなど清涼感を出しています。

 卓上には、酢・豆板醤・ニンニク・タレ・辣油・胡椒などの調味料が用意されていて、これらを加えて自分好みの味にカスタマイズするのも「油そば」の醍醐味。トッピングバリエーションも豊富で、チャーシューなど肉類が沢山のった「肉食系油そば」や、野菜が沢山のった「草食系油そば」などのガッツリ系も人気!

ちょっと懐かしい東京スタイルの「とんこつらーめん」

 「油そば」専門店のように思われているこのお店ですが、先述の通りラーメンでスタートし、今も「とんこつらーめん」や、途中から加わった「つけ麺」も食べる事が出来ます。

 「とんこつらーめん」は、80年代後半から90年代にかけてブームとなった「東京豚骨ラーメン」いわゆる“背脂チャッチャ系”と呼ばれるタイプで、少しクリーミーさのあるコクと旨味たっぷりな臭みの無い豚骨スープに醤油ダレを強めに効かせ、背脂のコクとこってり感が加味された一杯となっています。

期間限定メニュー「塩麹の油そば」

 期間限定メニューも定期的に出していて、塩麴がブームになった10年前には「塩麴の油そば」が登場。超濃厚な旨味を持ったもので、記憶に残る一杯でした。

20年愛され続けるロングセラー。昨年リニューアルされた「明星 ぶぶか 油そば」

 明星食品から始まったこのお店だからこそ出来る、拘りぬいたカップ油そばも定期的に販売されていて、実際お店に行った事が無くてもカップ油そばを食べた事があるという方も多いようですね。

 「油そば」「まぜそば」「汁なし」「和え麺」など、スープの無いラーメンも色々なネーミングで呼ばれ、その味も多様化して来ましたが、「ぶぶか」は原点に近く、ジャンクさと自分好みにカスタマイズする楽しみのある“昔ながらの油そば”とも言える油そばを楽しめるオススメのお店です。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式サイト(http://www.bubuka.top/)をご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

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