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麺もチャーシューも最高クラス、新店とは思えない完成度のG系ラーメン 自家製麺 まさき(東京・東中神)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第40回

2020年12月21日 12時00分更新

文● ZATSU 編集● ラーメンWalker

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 今回のオスス麺は、2020年1月にオープンしたばかりの二郎インスパイア系の新鋭「自家製麺 まさき」。

JR青梅線・東中神駅北口から徒歩2分「自家製麺 まさき」

 お店は東中神駅の北口から程近い住宅街の中にポツンとあります。

 オープン前からSNSなどを利用して積極的に営業活動を行い、そのアクティブな姿勢からオープンを楽しみにする人が沢山いましたが、それと同時に「東中神」という場所や、期待値の高さに見合ったものが提供出来るのかという不安も感じていました。ですがそれも杞憂だったようで、いざオープンしてみると初日から沢山のお客さんが集まり、その美味しさと二郎にありがちな殺伐とした雰囲気とは無縁な和やかなで温かみのある接客によって噂が噂を呼び、あっという間に連日行列の出来る人気店となったのです。

 オープンして間もなく、新型コロナウイルスの影響で食材の仕入れが思うようにいかなくなり、緊急事態宣言や時短要請など色々な困難が待ち構えていましたが、それも乗り越えて定着した人気を保っています。

 自称「ラーメンオタク」だというご主人は、小さい頃からラーメンが大好きで大学時代のアルバイトで初めてラーメン屋を経験し、大学卒業後は一般企業に就職するものの、「ゆくゆくは自分の作ったラーメンで生きていきたい」という内に秘めた想いが変わらず、気づけばラーメン屋に転職していたとの事。 それ以降は桜台の名店「破顔」などの二郎系や様々なジャンルのラーメン店で修業し、「水が美味しい地で自家製麺を出したい」と考えから、2020年1月8日に昭島市の東中神で遂に「自家製麺 まさき」をオープンさせたのです!

 メニューは、大きく分けて【らーめん】と【汁なし】の二本柱。

 【中華そば】もいずれは提供する予定のようですが、まずはこの二本柱に限定メニューなどを提供していきながら営業していく様子。

 【らーめん】は「にんにく」「野菜」「あぶら」「しょうが」「火の粉」の無料トッピング、【汁なし】は、「にんにく」「野菜」「あぶら」「しょうが」「火の粉」「マヨビーム」の無料トッピングが用意されていて、自分好みのトッピングを追加する事が出来ます。

オープン3日目、2020年1月10日にいただいた「らーめん」

 画像はオープン3日目に食べた「にんにく少なめ・野菜あぶら増し・火の粉別皿」の無料トッピングをしたものでボリュームたっぷりですが、現在は更にボリュームのある一杯を提供しています。

 スープは、豚骨をベースに香味野菜も加えたもので、乳化度が高く二郎系の中でもかなり丁寧に作られたスープで、豚骨の濃厚感を存分に感じさせながらもキツさの無い円やかなコクと旨味が感じられます。 仮に山盛り野菜が無く、このスープと麺だけで提供していたとしても人気店になれるのではないかと思えるクオリティの高さ!

 オープン当初の時点でも完成度の高いスープでしたが、麺との相性も含め日々研究しているので、通いつめればその変化も楽しむことが出来ると思います。

存在感抜群!極太低加水の「ワシワシ麺」

 屋号に「自家製麺」と付けるだけあって、一番のウリは何と言っても「自家製麺」。

1)オーション100%の縦切り極太麺「ワシワシ麺」
2)準強力粉&うどん粉MIX 角切り中太ムチムチ太麺「中華麺」
3)オーション&うどん粉MIX 縦切りワシムチ極太麺「らどん」 と、3種類の麺が用意されていて選択が可能。

 常時3種類あるわけでは無く、1)の「ワシワシ麺」がレギュラーで常にあり、残りの2つが準レギュラーといった感じになっていますが、現在は3)の「らどん」を提供している事が多いようです。

 自家製麺している二郎系は多数ありますが、麺を数種類用意しているところは少なく、それだけ見ても「自家製麺」にかける思いの強さが伝わりますし、その麺もより良い麺を作ろうと日々研究されているとの事。

 私は「ワシワシ麺」しか食べたことが無いのですが、この麺は二郎や家系などに多く使われる「縦切り」と呼ばれる厚い麺帯を細い切り刃で切った縦長な断面のもの。特徴的なワシワシした食感を楽しめると共にその風味高さと味わい深さを楽しめ、さすがはこだわりの麺といった美味しさ!

 オープン当初は270gと一般的なラーメンの倍近いボリュームでしたが、自家製麺をもっと食べて貰いたいとの思いから、現在は300gと更にボリュームアップ! 「そんなに食べられない!」という人には「麺少なめ」「麺半分」も用意されています。

大迫力ルックスのスープオフ麺「汁なし」

 「にんにく少なめ・他全マシ」の無料トッピングをした「汁なし」。

 「汁なし」といっても意外と汁気があり、たっぷりの背脂と豚骨スープとが混ざりあってラーメン以上にド乳化したまったりとした濃厚さ!

 そこにブラックペッパーを強く効かせる事で、味が引き締まって飽きさせない味に仕上げています。

 さらに無料トッピングの「火の粉」や「生姜」などによって刺激的な辛さを、フライドオニオンや魚粉が風味のアクセントを、マヨネーズが濃厚な旨味を……と色々な味が混ざりあい、それはバランスがどうのこうのとかでは無く、ジャンクで単純明快に「ウマイ!」と感じさせてくれます。

 「らーめん」に使用するのは分厚いバラロールで、トロトロに柔らかく煮込まれていて旨味たっぷり!

 オープン当初は、4つ前の写真のようにロールタイプでは無いタイプのチャーシューだったので、今後も改良されて変化するかもしれないですね。

 「汁なし」に使用するチャーシューは、賽の目にカットして炭火で炙ったもの。

 他では味わえない香ばしい風味を堪能でき、弾力のある柔らか食感や強い旨味もあり、手間暇をかけたこのチャーシューは二郎系の中でも最高クラスと言っても過言でない味わい!

2020年8月27日にいただいた「らーめん」。50円の「マー油」を追加トッピング!

 「マー油」や「インド」といった味の変わる有料トッピングも用意されていて、常連さんでも食べ飽きないように工夫されています。

 画像は「にんにく少なめ・野菜あぶら増し・火の粉別皿」の無料トッピングに、有料の「マー油」を追加した「らーめん」で、黒マー油特有の焦がしニンニクの芳ばしい風味を楽しめると共に、濃厚なスープに更なる深いコクと強い旨味を加味してくれるものとなっています。

限定メニュー「カレつけ」

 ラーメン好きのご主人だけあって創作意欲も高く、オープン1年目でコロナ禍に見舞われながらも次々に限定メニューも提供していて、その評判はどれも高いものとなっています。

 私が秋頃にいただいた限定メニュー「カレつけ」も、ぽってりした濃厚さの中に日本人が好きなタイプのクセが無いカレーの味わいが楽しめるもので、そのピリ辛つけ汁が自家製麺と見事にマッチした一杯でした。

 新店とは思えない完成度で、二郎インスパイア系の中でもかなりのハイクオリティなラーメンを提供し、それに甘んじず更に高みを目指す飽くなき探求心を持ち続け、優しい笑顔の接客と雰囲気でファンの心をグッと掴み、気付いてみればリピーターになってしまう、そんな不思議な魅力を持った二郎インスパイア系のオススメのお店です!

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/jksm_masaki)をご確認ください。

ZATSU

2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。

本人ブログ(http://blog.livedoor.jp/zatsu_ke/

本人Twitter @zatsu_ke

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