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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第598回

最後のAtomとなるChromebook向けプロセッサーのJasper Lake インテル CPUロードマップ

2021年01月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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2019年~2021年のインテルCPUのロードマップ

Chromebook向けのプロセッサー
Jasper Lake

 次にJasper Lakeについて。前回のロードマップではElkhart Lakeとして記していたが、今回Jasper Lakeとして正式発表されたので、この部分の図を差し替えた。

 このJasper Lake、発表では「教育機関向けプラットフォーム」という表現であったが、要するにChromebook向けのプロセッサーである。ラインナップされたのはPentium Silverが1製品とCeleronが2製品となっているが、ベースになっているのは連載585回で紹介したElkhart LakeベースのAtom 6000シリーズである。

 下の画像がそのElkhart Lakeの、その下がJasper Lakeのブロック図であるが、両者の違いはCompute Dieの方ではなくPCHの方である。要するにElkhart Lakeは組み込み機器向けのPCHが、Jasper LakeにはPC向けのPCHがそれぞれ搭載される形になっており、ここで両者の違いを出している格好だ(それもあってコード名が変わったようだ)。

Elkhart Lakeのブロック図。SPI NOR FlashやXCVR/CANがつながったり、PWMやADC/I2Cなどが入っているあたりが組み込み向けだ

Jasper Lakeのブロック図。こちらは見慣れたI/Fのみ

 疑問なのが、Pentium Silver N6005とCeleron N5105の違いである。差を見てみると以下のように予想以上に性能差が少ない。

Pentium Silver N6005とCeleron N5105の違い
モデルナンバー N6005 N5105
コア/スレッド数 4 4
動作周波数 2.0/3.3GHz 2.0/2.9GHz
3次キャッシュ 4MB 4MB
GPU EU数 32 24
GPU動作周波数 0.45/0.9GHz 0.45/0.8GHz
TDP 10W 10W

 価格は現時点でも未公表なので判断は難しいが、そもそもChromebook向けという時点でそれほど高額ではないと予想できるとはいえ、こうなったらPentiumを選ぶのはコストパフォーマンス的にどうだろう? という気がしなくもない。Turbo Boostを有効にするというのもPentium/Celeron向けとしては珍しい気がするのだが。

 ここまでしないとARMベースのプロセッサーに負けるのだろうか? 発表ではSpeedometer 2.0を利用してMediaTek Helio P60Tと比較し、まだHelios P60TはTinkerCad上でモデルのレンダリングをしているのにPentium N6005はレンダリングが終わって自由に操作できるようになっている、という形でPentium N6005の性能の高さをアピールしていた。

1.48倍という数字はWebXPRT3やSpeedometer 2、CrXPRT 2、RUG(Representative Usage Guide)Testなどの総合結果とのこと

 これは発表会で出た話ではないのだが、このElkhart LakeなりJasper Lakeが、ディスクリートとしてのAtomの最終製品という話である。もちろんElkhart LakeなりJasper Lakeが大うけして爆発的に売れるようであれば引き続き後継のディスクリート製品が出る可能性はあるが、基本今後のAtomコアは、Alder LakeのようにCoreと組み合わせる形で利用されるだけになるらしい。

 その意味では、Jasper Lakeがきちんとマーケットシェアを握れるかどうかは、Atomの製品ラインの存続に関わるという話であった。

 最後にそのAlder Lakeの話題であるが、イッペイ氏のレポートにもあるように、デスクトップで動作していることが示された「だけ」である。Windowsが問題なく起動する程度には完成度が高い、ということが唯一わかった話であった。

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