CES 2021レポート 第26回
フォッシル初のLTE対応スマートウォッチは「挑戦を経て完成」、スカーゲン「HYBRID HR」などCES発表の新作動向を解説
2021年01月13日 09時00分更新
2021年は全面オンライン開催となったCESに照準を合わせて、フォッシルグループが最新のスマートウォッチを同社の手がける3つのブランドで発表した。
新製品は速報としてお伝えしているフォッシル初の4G LTE対応機「ジェネレーション 5 LTE」のほか、文字盤をアナログ針とE-Inkの電子ペーパーによるハイブリッド表示としたスカーゲン「JORN HYBRID HR」、マイケル・コースのスマートウォッチ「ACCESS ジェネレーション 5E」の3種となる。
同社がプレス向けに開催したブリーフィングの中で、チーフ・コマーシャル・オフィサーのGreg McKelvey氏と、コネクテッド・デバイス・グループのSVPであるSteve Prokup氏が加えた解説を交えながら、各製品を詳しく紹介しよう。
「様々な挑戦を経て完成した」フォッシル初のLTE単独通信対応機
フォッシルの「ジェネレーション 5 LTE」は埋め込み型のeSIMによる、単独での4G LTEセルラー通信に対応するスマートウォッチだ。既報の通り米国では今春から349ドル(およそ3万6400円)で販売が開始される予定。販売はフォッシルと米国の大手通信事業社であるベライゾンのオンラインストア、並びにベライゾンの小売店で展開されるが、セルラー通信の契約方法など具体については今月内にアナウンスがあるようだ。
フォッシルグループのGreg McKelvey氏はオンラインブリーフィングの中で、現在スマートウォッチのマクロトレンドとして「ヘルスケア・ウェルネス機能」と「コンタクトレス決済やセルラー通信などユーティリティの拡充」に対する、ユーザーの関心が高まっていると説いた。
ユーティリティの強化における中核戦略でもあるセルラー対応について、技術面から開発を指揮したSteve Prokup氏は「単純にモデムを載せて、スタンドアロンで通信ができるようにしただけではない。ソフトウェアを最適化したり、システム全体が消費するバッテリーの効率化も合わせて、多くの挑戦すべきことを乗り越えてきた。様々な要素が進化を遂げたことで、フォッシルグループ初のLTE対応スマートウォッチが誕生した」と振り返っている。詳細については今後発売に向けて明らかにされるものと思われるが、Prokup氏は「eSIMのアクティベーションやペアリングするスマートフォンとのナンバーシェアなど、初期設定が簡単にできるようにグーグルと足並みを揃えながらユーザーインターフェースを作り込んだ」と話している。
フォッシルの「ジェネレーション 5 LTE」は、2020年に飛躍を遂げた「ジェネレーション 5」のプラットフォームをベースにしたスマートウォッチだ。McKelvey氏は「2021年もジェネレーション 5のプロダクトをさらに充実させたい」と意気込む。
同氏が「スマートウォッチのマクロトレンド」のひとつに挙げた、ヘルスケアとウェルネスまわりの機能については、ソフトウェアアップデートによる拡充も図られそうだ。Prokup氏は「今後、数週間後に関連する新機能のアップデートをユーザーに届けたい」とブリーフィングの中で言及している。具体的にはアクティビティートラッキングや、スマートホームIoTデバイスをGoogleアシスタントによって音声で操作できる機能などが、肉付けされることになりそうだ。

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