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CES 2021レポート 第15回

メルセデス・ベンツが次世代の「MBUX Hyperscreen」をCESで発表

2021年01月12日 16時30分更新

文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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3つのディスプレーを1つのスクリーンに統合

 アメリカでオンライン開催されているCES 2021において11日(現地時間)、メルセデス・ベンツは次世代のインフォテイメントシステムである「MBUX Hyperscreen(ハイパースクリーン)」を紹介した。これは現在、メルセデス・ベンツの量産車に採用されているインフォテイメントシステムである「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」の次世代を担うもの。発表自体はすでに7日に行なわれており、今回はトレードショーでのデビューとなる。

 「MBUX」は、2018年より採用が始まったメルセデス・ベンツならではのインフォテイメントシステムだ。パソコンのディスプレーのような平面的で巨大な画面を使い、メーターやナビゲーション、エンターテイメントの操作をはじめ、対話型のAI音声アシスタント機能などを有する。近年のメルセデス・ベンツの先進性の象徴ともいうべき存在である。そのシステムの第2世代とも呼べるものが「MBUX Hyperscreen」なのだ。

アップデートされたMBUX

 その特徴は、3つのディスプレーを、左右141cmにもなる巨大な1つの湾曲スクリーンに集約してしまったこと。運転席だけでなく、助手席の前までスクリーンは伸びている。助手席の前のディスプレーは、ドライバーと同じ情報を表示できるだけでなく、テレビなどの運転に関係ないエンターテイメントを楽しむこともできる。ただし、これが可能となるのは交通ルールによって許されるところだけになり、またドライバーが覗き見しないのように、ドライバーモニターによる監視もあるという。

ディスプレーが助手席側まで伸びているので、助手席の人も退屈しない

 また、その広大な表示スペースを利用した「ゼロ・レイヤー」という手法も特徴的だ。重要なアプリケーションが表層に配置されているため、ユーザーが使用時にサブメニューをスクロールする必要がないのだ。また、AIがユーザーの使用方法を学習し、そのユーザーの使い方にあわせた表示方法を行なうという。20を超える機能の中から、必要なものがAIの助けにより常に自動で表示されるようにもなっているとのこと。

ゼロ・レイヤーのイメージ

 タッチスクリーンの下には12個のアクチュエーターが配置され、ユーザーに操作の触感フィードバックを提供。8つのCPUコア、24GBのメモリー(メモリー帯域幅46.4GB/秒)が搭載されている。

 さらに、今回のCESにおいてメルセデス・ベンツは「MBUX」の新機能である「Mercedes Travel Knowledge」を初めて紹介した。これは車両が走行する周辺のランドマークに関する情報を提供するというもの。ドライバーや乗員が声で質問すると、MBUXが答えてくれるのだ。たとえば「メルセデスさん、この建物について教えて」や「左側のレストランの名前はなに?」と尋ねれば、答えがディスプレーに表示されたり、音声アシスタントが返答したりするというもの。この機能は、「MBUX Hyperscreen」だけでなく、まもなく登場するであろう新型「Sクラス」でも使用できるという。

新機能の「Mercedes Travel Knowledge」

 この新しい「MBUX Hyperscreen」は、登場間近の新型EV「EQS」に搭載され、その後、他モデルに波及するという。現行のMBUXがわずか2年ほどでメルセデス・ベンツの全モデルに搭載されたことを考えれば、新世代の「MBUX Hyperscreen」も、それほど遠い未来ではなく、わずか数年で身近なものになるはず。触れることが楽しみなシステムだ。

MBUX Hyperscreenは数年で様々なモデルに搭載されるようになるだろう

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筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 

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