ASUS JAPANは12月8日、ARMベースの組込みシングルボードコンピューター「Tinker Board 2」「Tinker Board 2S」を発表した。本製品は、クレジットカードよりやや大きいパッケージに本格的なパフォーマンスを備えるという製造業者やIoT、DIY愛好家向けの製品。
Tinker Board 2シリーズは、64ビットARMv8アーキテクチャー「Rockchip RK3399」を採用した6コアSystem on a chip(SoC)を搭載。省電力技術「ARM big.LITTLE」を備え、タスク配分を自動化し各処理に適切なCPUコアを確保することで、初代Tinker Boardと比較して1.5倍性能が向上したという。
ARMのハイエンド向けGPU「Mali-T860」を搭載し、OpenGL ES 3.0/3.1、OpenVG 1.1、OpenCL、その他の次世代および既存の2D/3D画像処理アプリケーションのフレームワークをフルサポートする。初代Tinker Boardと比較すると、グラフィック性能が最大28%向上したとする。
また、ASUS IoT Cloud Console(AICC)プラットフォームによって、異なるOSで動作するIoTデバイスが収集したデータの管理や分析が可能。迅速なトラブルシューティング、リモートでの再起動や更新、監視・分析のためのシンプルなダッシュボードをワンストップで提供する。Firmware-over-the-air(FOTA:ファームウェアの無線配信・更新)にも対応しており、Tinker Board 2やTinker Board 2Sを利用して開発された組込みシステムに、最新のAndroidファームウェア、OS、ドライバーをリモートでアップデートできる。
HDMI、DisplayPort over USB Type-C、DSIを搭載し、最大4K UHD解像度のデュアルディスプレー環境を構築可能。通信機能は、Wi-Fi 5(2x2デュアルバンド2.4/5GHz)、Bluetooth 5.0をサポート。USB 3.2 Gen1(Type-A)とUSB 3.2 Gen1(Type-C)を備えるほか、Tinker Board 2SにはPCBの下側にmicro SDカード用スロットが搭載されている。
システム全般を微調整できる設定ツールを備え、タスクに最適なパフォーマンスを設定可能。設定ツールには、CPUとGPUの両方の最大周波数と最小周波数を設定する機能と、動作中に重要なステータスを監視するモニタリングパネルを備える。本シリーズは2021年にAndroid 10に対応予定としている。