親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第95回
スマホで好きな時に動画配信サービスを楽しむ若者たち
本音は「広告ありでも無料で動画を見たい!」
2020年12月15日 09時00分更新
コロナ禍でも若年層のテレビ視聴時間は……
15~69歳を対象としたThe Trade Desk, Inc.の動画配信サービス利用実態調査(2020年12月)によると、コロナ禍により自宅で過ごす時間が増えたことで動画配信サービスの利用が増えているようだ。若者世代の動画配信サービス利用実態について見ていきたい。
調査結果によると、15~69歳男女の77%が動画配信サービスを利用している。2019年と比べて34%が動画配信サービスの視聴時間が増えており、地上デジタル放送の視聴時間が増えた割合(23%)を10%以上、上回った。特に若年層にその傾向が強く、10代の2割以上が2019年よりも地上デジタル放送の視聴時間が減った一方、半数以上で動画視聴サービスの時間が増えている。
自室で好きなコンテンツを楽しみたい若者たち
動画配信サービスは、定額制動画配信(SVOD)と広告付き無料動画配信(AVOD)に大別できる。定額制動画配信は「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」「Hulu」などが該当し、無料動画配信は「TVer」や「Abema」「ネットもテレ東」などが該当する。定額制動画配信の利用者は全体の29%に留まり、ほとんどは無料動画配信を利用。また、定額制動画配信利用者のうち46%が1つのSVODサービスのみに加入している。
興味深いのは、動画配信サービス利用者全体の約70%が、「月額費を下げられるのであれば広告をみる」または「お気に入りのコンテンツが無料になるのであればCMがあってもいい」と回答していることだ。広告視聴で無料で利用できるインターネットサービスは多く、そのようなものに慣れているユーザーは多いということだろう。
動画配信サービス視聴端末は、61%の人がスマートフォンであり、次いでパソコンが55%、タブレットが19%となっている。スマートフォンで動画を視聴する人の過半数以上が10代から30代、パソコンで動画を視聴する6割が40代から60代となっている。若年層はスマートフォンで動画のコンテンツを視聴しているというわけだ。
「動画は自分の部屋でスマホで見ることが多い」とある高校生はいう。「親の目が気になるし、画面は小さくても自由に見られるほうがいい。あと、見たいときに見たい」。
若者たちには動画配信サービスが深く浸透している。コロナ禍でこの傾向は加速しており、今後も続きそうだ。作り手側はこの点を意識した動画制作が必要だろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
この連載の記事
-
第307回
デジタル
子どもにYouTubeを見せるなら「制限付きモード」をオン推奨 -
第306回
デジタル
新成人のお年玉事情2025! 20歳でも6割はもらっている -
第305回
デジタル
推し活は10代でも当たり前! 男子の推しはYouTuber、では女子は……? -
第304回
デジタル
勝手にLINEグループに追加される理由と対策を解説 -
第303回
デジタル
「情報I」が今年度から大学入学共通テストに追加! 受験生たちはどう思っている? -
第302回
デジタル
スマホを「遊びの機器」と回答した小中学生は長時間利用しがちな傾向 -
第301回
デジタル
LINE通知をオフにする方法すべて! 全通知から個別、機能別まで -
第300回
デジタル
意外! 10代は他世代の5倍もVR・ARを体験済 -
第299回
デジタル
シニア層にも広がるLINE、60代の約8~9割、80代でも3人に1人が利用中 -
第298回
デジタル
LINEスタンプで写真に日付や位置情報を描き込む方法 -
第297回
デジタル
女子大生の8割以上がショート動画視聴は「最も無駄な時間」 - この連載の一覧へ