Ryzen 5が一番快適かもしれない「Horizon Zero Dawn」
MHW:IBよりもさらに描画負荷の高い「Horizon Zero Dawn」ではどうだろうか? 画質は“最高画質”に設定し、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して測定した。最低fpsが大きく変動しやすいタイトルであるため、今回は5回続けて計測を実施し、最低fpsの中央値を出した結果を採用した(平均fpsはほとんどブレない)。
Ryzen 5 5600XとRyzen 9 5950Xなどを追加したが、平均fpsで良い値を出したのはRyzen 7 5800XとRyzen 9 5900Xの2モデルで、今回追加した2モデルは微妙に劣る結果となった。
今回初めてHorizon Zero Dawnと6C/12TなCPUを組み合わせたが、最低fpsの落ち込みが一番少なかった点を記しておきたい。8C/16T以上のCPUは最低fpsが30fps近くまで落ち込むことが非常に多く、そのため5回計測を行なうことにしたが、Ryzen 5 3600XTや5600Xは最低fpsの落ち込みが全く観測できなかった。
ただCPUのフレームレートはコア数が多くなるほど高まっているので、CPUからGPUに処理が渡るどこかの段階において、8C/16T以上だと引っかかることがある、ということだ。コアの余裕は心の余裕ではあるが、ゲームの設計やッチューニングによっては6C/12Tあたりがちょうど良くなることもあるようだ。
「Watch Dogs: Legion」ではZen3世代が安定して強い
最後に「Watch Dogs: Legion」のパフォーマンスも見ておこう。APIはDirectX 12とし、画質“最大”にレイトレーシング“最大”、さらにDLSS“バランス”と精細度100%設定を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測する。
このゲームでは画質設定1つ1つにつきCPUやGPUへの負荷が大きいか小さいかをざっくりと教えてくれるのだが、レイトレーシングなどの画質向上系は基本的にCPU負荷も高いものが多い。
ただCPUはコア数はあまり効果がないようで、16C/32TのRyzen 9 5950Xだとかなりコアが遊んでしまう。この点だけで論ずるならRyzen 5 5600X最も費用対効果の高いCPUと言えるだろう(ゲームだけ遊ぶと仮定した場合だが……)。
このゲームがRadeon RX 6000シリーズで使えるSAM(Smart Access Memory)で効果が得られるかは不明だが、もし得られるとすれば旧世代CPUとの差はもっと広くなる。これから重量級ゲームをRadeon環境で遊びたいと考えているなら、Ryzen 5000シリーズへの乗り換えは是非オススメしたいところだ(ただしSAMはX570かB550マザーが必須なことを忘れずに……)。
この連載の記事
-
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - この連載の一覧へ