性能はミドルクラス相応、特徴的なeSIM対応
性能面に目を移すと、チップセットはクアルコムの「Snapdragon 662」を搭載、メモリーは4GB、ストレージは64GBという構成。チップセットがOPPO A5 2020の「Snapdragon 665」と比べ数字が小さいように見えるが、より新しいチップセットだけにCPUやGPUの性能は同じで、より低価格になっているとのことだ。
それゆえ性能的にはOPPO A5 2020とほぼ変わらず、日常利用に支障はないがゲームの画質などではやや我慢が必要、といったところ。実際主要なゲームで設定などを確認してみると、他の「Snapdragon 6xx」系を搭載したミドルクラスの端末と同様、あまり高い画質に設定することはできないようだ。
一方でOPPO A5 2020から大きく変わった点として、バッテリーサイズが5000mAhから4000mAhと、大幅に減少していることが挙げられる。その分約1.5mm薄くなっていることを考えると、デザインとのトレードオフといえそうだが、これだけの容量があればそれほど大きく困ることはないだろう。
そしてもう1つ、大きく変化しているのがSIMだ。OPPO A73はデュアルSIMでDSDVにも対応するのだが、一方のSIMは物理SIMではなく、eSIMに変わっているのだ。SIMフリー端末でeSIMを搭載する機種は、iPhoneシリーズとPixelシリーズを除けばほとんど見られないだけに、珍しい存在といえるだろう。
既にeSIMに力を入れる楽天モバイルからの販売が発表されていることから、この仕様変更は楽天モバイルへの対応を意識したものといえるだろう。実際に楽天モバイルの回線でeSIMを使ってみたところ、問題なく通信できることを確認できた。
【まとめ】4Gの低価格通信サービスと相性抜群
eSIM狙いでも面白い
まとめると、OPPO A73は持ちやすさと機能のバランスが取れたスマートフォンであり、4Gのみの対応だが税込みで3万800円、税抜きでは3万円を切るという低価格も魅力だ。4眼カメラのうち2つの使い道が相当限定される点と、欲を言えばチップセットの性能ももう少し改善が欲しかった所だが、サブブランドやMVNOのサービスは4Gのみのものが多いだけに、それらのSIMを活用してスマートフォンを安く使いたいならベストな選択といえそうだ。
またeSIMを搭載している端末はまだ数が少ないだけに、eSIMを活用できる安価なスマートフォンとしても魅力がある。現在国内向けのeSIMサービスを提供しているのは楽天モバイルとインターネットイニシアティブ(IIJ)くらいだが、KDDIがeSIMによるサービスを提供するMVNOを設立すると発表するなど、今後確実に選択肢は増えると考えられるだけに、それを見越して購入するのも悪くないだろう。
「OPPO A73」の主なスペック | |
---|---|
メーカー | OPPO |
ディスプレー | 6.44型有機EL(20:9) |
画面解像度 | 1080×2400 |
サイズ | 約72.9×159.8×7.45mm |
重量 | 約162g |
CPU | Snapdragon 662 2GHz+1.8GHz(オクタコア) |
内蔵メモリー | 4GB |
内蔵ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | micrSDXC(最大256GB) |
OS | Android 10(ColorOS 7.2) |
対応バンド | LTE:1/2/3/4/5/7/8/18 /19/26/28/38/41 W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19 4バンドGSM |
DSDS | ○(4G+4G DSDV) |
CA対応 | ○ |
無線LAN | IEEE802.11ac |
カメラ | アウト:1600万画素 +800万画素(超広角) +200万画素(モノクロ) +200万画素(ポートレート) /イン:1600万画素 |
バッテリー容量 | 4000mAh(18W急速充電対応) |
生体認証 | ○(画面内指紋、顔) |
SIM形状 | nanoSIM+eSIM |
USB端子 | Type-C |
イヤホン端子 | ○ |
SIM形状 | ネービー ブルー、ダイナミック オレンジ |
価格(税込) | 3万800円 |
発売時期 | 11月20日 |
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