このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

業界人の《ことば》から 第413回

日立製作所の東原敏昭社長兼CEO

世界には制約があり、限りがある、大量生産/大量消費時代で社会を持続させるには?

2020年11月09日 13時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今回のひとこと

「おなかが空いたときに食べるパンと、ラーメンを食べておなかがいっぱいになったあとに見るパンでは、その価値はまったく異なる。価値は、タイミングや場所で大きく異なる。環境も考慮しながら、この価値を最大化することが、社会イノベーションである」

(日立製作所の東原敏昭社長兼CEO)

 創業110周年を迎えた日立製作所は、同社最大規模のイベントとなる「Hitachi Social Innovation Forum 2020 TOKYO ONLINE」を、2020年11月4日~6日まで、オンラインで開催した。

 22回目となる今回は、140を超えるプログラムを用意。初日の基調講演に登壇した日立製作所の東原敏昭社長兼CEOは、「なぜ、いま社会イノベーションなのか~Society 5.0 for SDGs」をテーマに、同社が取り組む社会イノベーションに対する基本的な考え方や、それによって実現する人々の「Quality of Life(QoL)」の向上などについて言及した。

 冒頭、東原社長兼CEOは「日立は、創業から現在まで、『優れた自主技術、製品の開発を通じて、社会に貢献する』という企業理念を掲げ、社会をより良くすることに力を注いできた。そして多くの変革を起こしてきた。現在も、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフという5つの分野から、世界中の人々の生活を、独自の技術によって支えている。日立はこれからもイノベーションの力で社会に貢献したい」と切り出した。

 2015年に採択された温室効果ガス削減の国際的枠組みであるパリ協定が、2020年から実段階に入った。それに向けて、各国が取り組みを強化している状況に触れながら、「世界には『制約があり、限りがある』という事実が私たちに突き付けられている。その一方で、人間の欲望は留まることを知らない。大量生産、大量消費に慣れてしまった私たちは、制約のある環境、限りある資源のなかで、持続可能な社会を構築することができるのか。できるとすれば、どのような方法があるのか」と、オンラインの聴講者に問いかけた。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ