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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第686回

オリンパス「OM-D E-M1 Mark III」に100-400mmのレンズをつけて猫を撮る

2020年11月03日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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道路に出てゴロゴロ気持ち良さそうに転がってる姿を望遠で。2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

 先日、オリンパスから「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」(以下、100-400mmと略)なる望遠ズームレンズが出たのである。35mm判換算(つまりフルサイズセンサー機に換算すると)だと200-800mm。で、久しぶりに近づかせてくれない遠くの猫でもそっと撮ってみようと使ってみた話。

「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」を装着したE-M1 Mark III。ここまでの望遠になるとさすがにデカい

 望遠ズームなので本体が大きいのだけど、その分めちゃ強力。簡単に言えばこんな感じ。たとえば、公園をぶらぶらしてたら遠くに猫を発見。どのくらい遠いかというと、その場でiPhoneで撮ったのがコレ(↓)。もう、猫はどこにいるか探せクイズレベルというか、「あれ? なんかあの辺違和感があるぞ、なんだろ」と目を凝らさないとわからないというか、視力低いとつらいレベル。

遠くに猫っぽいものを発見。でもiPhone(の広角カメラ)だとこんな感じ。肉眼だと「なんとなく猫っぽいのがいるぞ」レベル。2020年10月 アップル iPhone 11 Pro

 そこでE-M1 Mark IIIに100-400mmを装着。まずは100mm(35mm判換算だと200mm相当)。確かに猫。これはこれでこんな場所に猫がいたんだよってのが程よくわかるのがいい。上と崖の間のちょっとした斜面に猫が動き回るためにあるんじゃないかという程よいスペースがあったのだ。そこなら人も来なくて安心してくつろげそう。そんな遠くの隙間にいるのを見つけるなんて酔狂な人はそうはいない。

100-400mmを100mmで。かなりググッと寄れていい感じの窪みに猫がくつろいでるってのがわかる。なんか下半身がっしり。2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

 でも、どんな猫なのかもっとよく見たい、あるいは背景をあまり入れたくない、アップで撮りたいと思ったら全然足りない。そこで400mmへ。35mm判換算だと800mm、つまりフルサイズセンサー機でこのくらい寄ろうと思ったら800mmのレンズが必要、APS-Cサイズセンサーだと600mmのレンズが必要という感じ。ふさふさな長毛キジトラってのが一目瞭然というか寒い日に膝に乗せたいというか、いい感じのふさふさ猫なのだった。

400mmまで上げると様子がよくわかる。夕方だったのでちょっと感度が上がってるけど、ふさふさのふさふさ。下半身もこもこ。2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

 続いての望遠猫は冒頭写真。猫がゴロゴロしてる姿を撮りたい、でも近づくと猫が気付いて起き上がっちゃう。道路上の猫はそういうの敏感だから。

 遠くからこっそり、これは低い位置から撮った方がいいなとしゃがんで撮ったもの。白線がいいアクセントになってくれた。この後、しれっと起き上がってキョロキョロしていたのだった。

猫は白線を外さない、という感じで、わざわざ白線の上にいるのだった。背景が大きくボケるのもポイント。2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

 お次は塀の上猫。狭い路地を黒い塊がふわっと動いたので、レンズを100-400mmに付け替えてたらぴょんと塀に飛び乗ったのである。400mmだと飛び乗った場所の雰囲気が分からなくなるので、250mmにして古い塀や門柱のちょっと寂れた感を入れてみた。ファインダーを覗いてみると首に何か巻いてる。でも首輪っぽくはない。

古い家ならではの崩れかけた門柱がいい感じ。最初は背中を向けていたのだけど、背中を向けた黒猫なんて単なる黒いモフモフなのでちょっと声をかけて目線をもらった。2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

 気になったので、こっちを向いた隙に400mmで。耳がカットされていることから世話されている地域猫っぽいので意味はあるのだろう。エリザベスカラー(猫が傷口などを舐めないよう首に巻いて保護するもの)の一種なんだろか。

結局、この首に巻いてるのはなんだったのだろう。当人、いや当猫は大して気にしてなかったようだけど。2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

 てな感じで望遠レンズは遠くからそっと撮れる、望遠になるほど前後のボケが大きくなるので猫だけにフォーカスした写真を撮れる、肉眼だと分からないディテールがわかる、という楽しさがあるので時には。  そうそう今回は天候に恵まれなくて曇天の写真ばかりになってしまったので、最後は1枚だけ晴れた日のものを。日差しが当たってるとやっぱキリッとしていい感じになる。冬が近づくにつれ猫も日向に出てくるので期待したい。

やっぱ日差しが当たってるとキリッとして色もはっきりしてカッコいい写真になりますな。 2020年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark III

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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