Core i5-10300HにGeForce GTX 1650 Tiとクリエイティブユーザーには最適な組み合わせ
写真・動画編集などクリエイティブユーザー向けお手頃マシンに、9万円台15.6型ノートPC「raytrek G5」が高コスパでイチオシ
2020年10月27日 09時00分更新
サードウェーブのクリエイター向けブランド「raytrek(レイトレック)」から、15.6型ディスプレーを採用するノートパソコン「raytrek G5」(関連記事)(関連記事)が登場した。「次世代クリエイターのためのオールラウンドモデル」というキャッチコピーどおり、クリエイティブ用途でパソコンをほしい人や、すでにコンテンツ制作などを行なっている人のサブ機的な使い方もできそうな1台だ。
オールラウンドモデルというだけあって、基本スペックはいい具合。CPUは、インテルの第10世代Core i5-10300H、GPUはNVIDIAのGeForce GTX 1650 Tiが採用されている。標準構成でメモリー16GB、ストレージはNVMe接続の500GB SSDが搭載されているので、カスタマイズなどの追加要素なしでも、そのまま実用できる土台を持っている。加えて、9万8978円とかなり魅力的な価格設定になっている(10月4日現在)。
光学式ドライブは内蔵しておらず、Wi-Fi6に対応した無線LANを搭載。外部ディスプレー出力は3系統あり、作業環境の拡張性も高い。また、ディスプレーはsRGB比約98%、AdobeRGB比約73%の高色域があるため、しっかりコンテンツ作成向きになっている。プロがしっかり色を確認するといった場合だと、sRGB、AdobeRGBともに数値的には十分とまではいかないが、一般的なディスプレーよりは確実に色の確認ができるだろう。
写真編集で抜群のパフォーマンスを発揮する第10世代Core i5
今回は、実際のソフトで実用性を見ながら性能を確認してみた。使用したのはAdobe Photoshop Lightroom Classic、Adobe Photoshop、Adobe PremierePro、DaVinci Resolve 16の4つで、静止画はPhotoshop Lightroom ClassicとPhotoshop、動画はPremierePro、DaVinci Resolve 16で扱った際の動作を確認した。
Photoshop Lightroom Classicは、バージョン9.4で検証。デジカメで撮影したRAWデータを画像へ変換するのがメインのソフトで、多くの画像を閲覧し選ぶ作業にも向いている。また複数の写真データに対して、一括で処理が行なえる。今回は、2400万画素のデジカメで撮影したRAWデータ500枚を、補正や修正無しでPSD16bit形式とJPEG(最高画質)で書き出しを行ない、その処理時間を測定した。
Lightroom ClassicではあまりGPUの性能は重視されない。変形や一部の作業でプレビュー作成にGPUの機能を用いるが高性能なGPUでなくても十分だ。CPUの性能はかなり高い印象を受けた。処理速度的には多少は時間がかかるが、従来の第9世代のモバイル用ハイエンド「Core i7-9750H」の処理速度とも大きく変わらず、同じような感覚で操作が行なえた。Lightroom Classicで画像書き出しの機会が多い人なら、raytrek G5は絶対的にオススメできるマシンだと感じた。
Photoshopは、バージョン21.2.3で検証。いまさらいうまでもないが、主に写真の加工を行なうためのソフトで、色や明るさの補正を始め、加工やエフェクト合成等で作品創りにも多く利用されている。PhotoshopでもあまりGPUの性能は重視されない傾向があり、一部の新しいプラグインやフィルタでのプレビュー表示に利用されている。
raytrek G5のCPUはCore i5ではあるが、Photoshopの使い心地はかなり良好といえる。GPUもそんなに高性能なものではないが、ゲーム目的でないなら十分な能力を持っている。そもそもPhotoshop自体がそんなに重いソフトではないこともあり、Core i5-10300HとGeForce GTX1650 Tiの組み合わせは、Photoshopをあつかうなら安価に高性能を発揮できる組み合わせだ。LightroomClassicの処理能力の高さもあり、写真をあつかうならコストパフォーマンスは高く、しかも不満なく作業が行なえる構成だ。
動画編集もできるCore i5-10300H+GeForce GTX 1650 Ti
Adobe PremiereProは、バージョン14.4.0で検証。世界中で利用されている動画編集ソフトだ。今回は、デジカメで撮影した約30秒の4K動画をつなげて約10分の動画を作成し、YouTubeプリセットで4Kで形式をMP4で書き出し、またFHDサイズの素材でも約10分のFHD動画を作成、YouTubeプリセットでMP4形式で書き出しにかかった時間を測定している。こちらもカットをつないだだけでエフェクトなどは一切使用していない。
4Kでの書き出しに要した時間は約2分50秒ととても早い。編集的な作業を行なわずただつないだだけではあるが、体感はかなり高速だ。また、FHDサイズも約2分と同様。また書き出し時間が早いだけでなく、プレビューの表示やエフェクトの確認も早く快適に作業が行なえた。動画編集をメインにしたいならもう少しメモリーがほしいがFHDサイズで10分くらいの動画なら、標準構成の状態でも困ることはそうそうないだろう。
DaVinci Resolve 16は、バージョン16.2.7で検証。フリーで利用できる動画編集ソフトだ。カラーコレクション、エフェクト、オーディオまで、動画に関することはなんでも可能な世界でも人気の高いソフトだ。こちらも、デジカメで撮影した約30秒の4K動画をつないで約10分の動画を作成、YouTubeプリセットの4K、H.264形式での書き出し時間を測定、同様に素材をFHDに変えてFHDサイズでの書き出し時間も測定している。
DaVinci Resolve 16は、GPUによるハードウェアアクセラレーションが機能するため、書き出しではGPUによる高速化が行なわれているが、4Kでの書き出し時にタスクマネージャーを見るとCPUは100%使い切っており、GeForce GTX 1650 Tiは20%弱くらいの使用率になっている。書き出し時間は4Kで約18分19秒、FHDで約15分36秒と再生時間より長くはかかっているが、そんなに処理時間が長いというほどでもなく、十分に実用性のある時間で処理されている。ロケなど出先での動画編集が必要でも、十分に対応できる性能だろう。
クリエイティブ的な作業に興味を持った人へ、
ひとまずこれ買えばなんとかなる!
raytrek G5は、行なう作業によるほか、3D系の処理が入ってくるとまた大きく状況は変わるが、静止画の補正やレタッチ作業、FHDサイズの簡単な動画編集くらいであれば、驚くくらい快適に作業が可能だ。Core i5-10300HにGeForce GTX 1650 Tiというミドルクラス同士の組み合わせが、クリエイティブユーザーには最適といっていいだろう。
高いコストパフォーマンスと、それに以上の快適な作業が行なえるraytrek G5は、クリエイティブ的な作業に興味を持った人にはひとまずこれ買えばなんとかなるといえる製品だ。また基本性能はしっかりしているのでゲームなどの動作も問題なくなんでもこなせるマシンとなっている。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | raytrek G5 |
CPU | Core i5-10300H(2.5GHz~最大4.5GHz)、4コア/8スレッド |
グラフィックス | GeForce GTX 1650 Ti(4GB GDDR6) |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 500GB SSD(NVMe対応) |
ディスプレー | 15.6型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約91% (sRGB比約98%) / AdobeRGBカバー率約70% (AdobeRGB比約73%) |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB 3.2 Gen1×2、USB 3.2 Gen1(Type-C)、USB 2.0、HDMI、mini DisplayPort×2、有線LAN端子、SDカードリーダー、マイク入力、ヘッドフォン出力 |
サイズ/重量 | およそ幅359.8×奥行244.3×高さ25.8mm/約2.1kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |