起業家・エンジニア養成学校G's ACADEMYが拡大移転、札幌拠点もオープン
北海道に「G's ACADEMY UNIT_SAPPORO」開校へ
G's ACADEMYの校舎が拡大移転オープン
デジタルハリウッドは10月、起業家・エンジニア養成スクール「G's ACADEMY(ジーズアカデミー)」の校舎を拡大移転し、グランドオープンした。
本誌でも何度か紹介しているG's ACADEMYは、現役のエンジニアが指導を担当し、プログラミングの基礎から、ウェブサービスやアプリの開発までを実践的に学べることで、人気を集めている。
G's ACADEMYの新校舎は原宿・神宮前に新設されるクリエイター向け複合施設「JUNCTION harajuku」内。「変革のエネルギーに溢れる」原宿は、生徒、卒業生たちが集まるコミュニティーとしての役割も持つG's ACADEMYらしい立地だ。
ヴィンテージマンションをリノベーション
クリエイター向けのシェアオフィス、レンタルスペース、ショップなどが入居する複合施設「JUNCTION HARAJUKU」は、1954年竣工のマンション コープオリンピア内に今年開設されている。コープオリンピアは原宿駅から目と鼻の先にあるので、目にしたことのある読者も多いだろう。
G's ACADEMYは新校舎の開設にあたり、もともと中華料理レストラン 南国酒家のバンケットだった部分をリノベーション。「かつて原宿カウンターカルチャーの中心であったこの場所が、古い常識を壊して新たな価値を生み出すことに熱中する、 セカイを変えるGEEK達の新たな中心地となる」との想いを込めている。
新校舎の大きな特徴が、「ASSEMBLY TABLE」と名付けらた巨大なテーブルだ。G's ACADEMYの開校は2015年。単にプログラミングを学べるだけでなく、「人と人の出会い」をテーマに展開してきたG's ACADEMYのコンセプトを巨大テーブルというかたちに具現化することで、エンジニアや起業家たちの交流を誘発する狙いがあるという。
また、新校舎内には「AUGMENTED WINDOW」が複数設置されている。これは、バーチャルウィンドウ事業を手がけるG's ACADEMY発のスタートアップ LandSkipが開発する「デジタルの窓」で、各地の風景が写るだけでなく、全国のG'sの校舎とバーチャルでつながる機能も設けている。
現在は、AUGMENTED WINDOWを通じて福岡のG's ACADEMY FUKUOKAとつながるのみだが、今後、全国の他の拠点ともデジタルでシームレスにつなげる構想があるという。
G’s ACADEMY UNIT_SAPPOROも開校
またデジタルハリウッドは、教育事業を展開するシーラクンスと協業し、G’s ACADEMYの新業態として「G's ACADEMY UNIT_SAPPORO」を、10月31日に開校する。
G's ACADEMY UNIT_は、ジーズアカデミーがプロデュースする起業家・エンジニア養成コミュニティーで、地方都市のコワーキングスペース運営者と共同開催するのが特徴。
開校には、G's ACADEMYの卒業生で、札幌のスタートアップ企業 マイルシェアの代表を務める森田 宣広氏がかかわっている。テクノロジーを駆使して北海道からセカイを変える人材が出てほしいという想いをきっかけに、クラウドファンディングでG's ACADEMYの誘致活動が発足。クラウドファンディングでは136件の支援者が集まり、デジタルハリウッドもメインスポンサーとなり、154%の達成率でプロジェクトが成功した。
リモートを組み合わせたリアルタイムの授業
G's ACADEMY UNIT_SAPPOROでは、北海道でも、東京と福岡のG’s ACADEMYと同じカリキュラムでオンライン授業を受けられる。単にビデオを見るのでなく、リアルタイムなので、質問などもその場で対応できる。
東京校舎の拡大移転と、G's ACADEMY UNIT_SAPPOROのオープンで、今後は、そのコミュニティー性がさらに増しそうなG's ACADEMYだが、同社によれば、2020年8月時点で51社のスタートアップを輩出し、かかわった起業家・エンジニアは1200名を超えるという。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、オンラインやリモートの持つ意味や役割が大きく拡大したが、その傾向は今後も続いていきそう。生徒の割合としては、一般の企業に務める社会人が最も多いそうだが、プログラミングをこれから学びたいと考える人にとっては、ますます注目のアカデミーになりそうだ。