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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第585回

Rocket LakeはRyzen 5 5800Xと互角に戦える性能 インテル CPUロードマップ

2020年10月19日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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14nm++プロセスのRocket Lakeは
2021年3月に投入予定

 さてそのRocket Lakeの話を。ジサトライッペイ氏の記事にもあるように、インテルはTech blogの中で、Rocket Lakeの登場を発表した。もっとも公表されている内容はごくわずかで、以下の2つだけしかない。

  • 2021年第1四半期にリリースされる
  • PCIe Gen4を(やっと)サポート

 ただもう少し雑多な情報が集まってきているので、これを説明しよう。まずRocket Lakeの正体であるが、14nm++を利用するが、プロセッサーコアはついにSunny Coveに切り替わる。

 連載514回では、Sunny Coveを14nmに持ち込むのはダイサイズの点から難しそうで、それもあってコアそのものはSkylake世代から延々と続く従来のコアのままと思われたのだが、ついにSunny Coveに切り替える決断をしたことになる。

 実は次の世代向けのコアを前世代のプロセスで製造する、という方針は大っぴらに明らかにされていた。下の画像は、2019年のIEDMにおけるASMLの基調講演のスライド(の中で引用されたインテルのスライド)だ。

この講演は、2029年には1.4nmに行くという、これはこれで野心的なものだったのだが、そういう先の話をする前にまず7nmをなんとかしないといけない

 これは14nmの話ではないのだが、例えば2021年に利用されるコア(Golden Cove)を、10nm+++に持っていく(Backport oppotunity)ことがありえるとしている。同じように、10nm+をターゲットに作られたコア(Sunny Cove)を14nm++に持っていくのも、アリということなのだろう。

 そのRocket Lakeであるが、まさに連載514回の最後に示した試算のように、Tiger LakeからGPUとImaging、Thunderboltなどのコントローラーを全部抜くと、4コアがおおむね100mm2、8コアで180mm2という計算になる。

 10コアComet Lakeのダイサイズはおおむね206mm2ほどなので、GPUをどうするか次第ではあるが、10コアのComet Lakeよりやや大きい程度で8コア+GPUをなんとか収められる計算になる。

 コア数そのものは今のところ最大8コアになるようだが、幸いにSunny CoveコアはIPCが平均18%向上すると説明されており、動作周波数が同じであってもトータルの性能は10コアのComet Lakeとほぼ同じで、シングルスレッド性能は2割弱のアップになる。これは2ダイ構成のRyzen 9 5900X/5950Xと競合するには厳しいが、1ダイ構成のRyzen 5 5800Xとは互角に戦える可能性がある。

 問題は消費電力で、こればっかりはプロセスをどうにかしない限り無理であり、短期的にどうにかできるメドが立っていない。したがって、次のAlder Lakeが出てくるまでの間は、「性能が同じで価格が安い」という形で訴求することになると思われる。実際、伝えられているRocket Lakeの話は、Ryzen 5000シリーズよりも低めに設定されているようだ。

 また連載576回で8コア12スレッドという謎の構成になりそうという話をしたが、どうもこれはなくなり素直に8コア16スレッドになったようだ。これはスケジューラーが間に合いそうにないか、あるいは思ったほどに効果が出ないので、big.LITTLEはAlder Lakeまで先送りにするか、もしくはその両方であろう。

 ちなみにPCIe Gen4に対応と言いつつも、チップセットとの接続はDMI 3.0(つまりPCIe Gen3相当)である。ただし、従来はDMI 3.0×4の接続だったのが、DMI 3.0×8になるという話が出ている。

 ただこれは既存のIntel 400シリーズチップセットとの互換性が取れない。どうも400シリーズチップセットと接続の場合にはDMI 3.0×4構成で、その分帯域が減るようで、それもあってRocket Lakeをフルに活用するためには同時発表予定のIntel 500シリーズチップセットが必須となるようだ。

 ではPCIe Gen4はどこに? というと、これはCPUから出る20レーン分だけのようだ。従来はPCIe Gen3×16が出るだけだったが、Rocke LakeではこれがGen4×16+4に変更されたらしい。このあたりはRyzen 3000シリーズの後追いという感じである。このCPUに追加されたx4レーンは、NVMe M.2 SSDの接続用ということだろう。

 GPUはXe世代のものが搭載されるが、構成はTiger Lakeなどと同じくXe LPで、しかもEU数は32(サブスライスが2つ)に抑えられている。もっともこの32EUというのは最大構成であって、Rocket LakeでもCore i3向けは16EU(サブスライスが1つ)に制限されたりするかもしれない。

 またメモリーもDDR4-3200をサポートすると見られる。DDR4時代もそろそろ末期であり、ここでサポートしなかったらもうサポートするタイミングがないため、このあたりは妥当であろう。

 読めないのは動作周波数である。おそらくComet Lakeと同等程度は確保されると思うが、例えばかつてのCore i9-9900KSのように全コア5GHz駆動みたいな無茶な構成は、消費電力的に厳しいように思われる。

 最近のインテルの製品は、消費電力が許す限り動作周波数を上げる方向にチューニングする傾向なので、おそらくCore i9-10900Kに負けない爆熱仕様の製品になることは間違いなさそうだ。

 したがって、既存の400シリーズマザーボードをお持ちの方は、仮にRocket Lakeに載せ替えを考えているのであれば、マザーボードの更新も同時に行なうことを推奨したい。少なくとも現在聞こえている情報をまとめる限り、400シリーズマザーボードを使い続けてもあまり良いことはなさそうだ。

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